韓国政府がブロックチェーン業界を分類するための新たな草案を起草していると地元の仮想通貨関連メディアのザ・ビーチェーンが5日に伝えた。今年の春から仮想通貨業界に関する様々な規制案を打ち出すしているが、今回、仮想通貨取引所について再定義を行うなど仮想通貨・ブロックチェーンの推進に向けて重要な方針転換になるかもしれない。

 新たな草案は、韓国の統計庁、科学技術部、そして情報通信部の3つの省庁が、7月末までに新しいブロックチェーン業界分類構想の最終案の完成を目指して先月末からまとめているもの。「ブロックチェーン推進と規制の枠組み」として政策決定の指針として使われることを目指すと報じられている。

 韓国政府は、韓国標準産業分類(KSIC)に沿って、ブロックチェーン業界を3つのセクター、それをさらに10の区分に分類。EOS、イーサリアム、NEOといったDAppsのためのインフラ、ブロックチェーンベースのクラウドコンピューティングサービス、そして仮想通貨マイニングのために詳細な配慮がなされているという。また、金融セクター、セキュリティー、保険、著作権管理、サプライチェーン管理、医療サービス、ソフトウェア開発といった既存業界へのブロックチェーンシステムとの統合事例についても調査されているという。

 さらに新たな草案は、仮想通貨取引所を「仮想通貨の資産取引所と仲介業者( crypto asset exchange and brokerage)」として定義しており、「情報通信事業者(communication vendors)」という以前の分類とは対照的。ニュースサイトのハックドは、「仮想通貨取引所を規制された金融機関として認識する」点で重要な再定義となっていると伝えている。ビーチェーンは、韓国政府が新興セクターであるブロックチェーン業界を「初めて」合法の業界として認識するものであると報じている。

 今回のニュースは、韓国の仮想通貨業界にとって極めて重要な時に浮上した。最近注目を浴びた仮想通貨取引所のハッキング事件によって、地元規制当局から必然的に強い反応引き出したが、韓国政府からは今年の春以降、業界にとってポジティブなニュースがもたらされている。その中でも特に重要なのは、国内でのイニシャル・コイン・オファリング(ICO)の悪名高き全面禁止を解除する計画である

 科学技術情報通信部は6月下旬、22年までに約2億700万ドルの資金調達を目指す大規模なブロックチェーンテクノロジー開発戦略を発表し、同国の中央銀行は5月以降、20年までに「キャッシュレス社会」プロジェクトを実現化するためにブロックチェーンを利用するというアイディアを検討している