仮想通貨相場が急落した理由は韓国の小さな仮想通貨取引所コインレールへのサイバー攻撃であると11日に世界の大手メディアが報じたことに対して、仮想通貨の利用者は不満を爆発させている

 10日にビットコインとアルトコインが急落したことに対して、ブルームバーグ、ウォール・ストリート・ジャーナル、ロイター、ガーディアンなどの主要紙は「コインレールへのサイバー攻撃(地元紙によると推定3700万ドルの被害をもたらした)を理由にあげた。コインレールは、損失額がいくらなのか明かしていない。

 ブルームバーグは、「サイバー攻撃による窃盗が一因で仮想通貨への熱狂が冷めつつある」と指摘。「コインレールへのサイバー攻撃が『反射的な』売りを誘発して急落につながった」とするシンガポールのFXトレーダーの分析を引用した。またウォール・ストリート・ジャーナルは、混乱に拍車をかけるかのような報道をする一方、コインレールから盗まれたアルトコインは「ビットコインの代替バージョン」と呼ぶなど、仮想通貨についてそもそも誤解しているような面も見受けられた。

 ちなみに両紙ともコインレールの規模が小さく、取引高が265万ドルと世界第99位の取引所にすぎないことを認識していた。

 業界の専門家でジャーナリストであるジョセフ・ヤング氏は、ソーシャルメディア上で、「ウォール・ストリート・ジャーナルは、一部の地元ユーザーしか使っていない韓国の小さな取引所がハックされたからビットコインが11%も下落したと考えているようだ」と皮肉たっぷりに述べ、次のように要約した

「ビットコインは、売りに対して十分な買いがなかったから下落したのであって、小さなサイバー攻撃によるものではない」

 コインテレグラフが報じたように、相場の急落は、米国の規制当局が米国の4つの主要取引所に対して調査を始めたことが理由としてあげられる一方、一部のトレーダーが指摘するように長期的なファンダメンタルズによるところもある。2018年のビットコイン暴落を予測していたトーン・ヴェイズ氏は、今年の4−6月期と2014年のビットコインの動きが似ていると指摘した分析を発表。価格だけでなく、他の指標からも弱気相場が長続きすると予測している。

 「今日のBTC/USDのビデオで説明した通り、たとえ価格を無視して最も使われる3つの指標(RSI、MACD、ストキャスティクス)だけを見たとしても、ビットコインの見通しが2014年の8月後半と一致することを示している」

 ベイズ氏は、ビットコインは2017年の10月以来の安値水準となる5000ドルを下回るとみている。

 ビットコインは現在6770ドルで取引されている。