韓国の中央銀行である韓国銀行は、キャッシュレス社会プロジェクトに仮想通貨とブロックチェーンの活用を検討している。地場ニュースサイトのトークンポストが1日に伝えた

 ジョセフ・ユン @iamjosephyoung 仮想通貨とブロックチェーンにより、社会はキャッシュレスになると、韓国中銀は述べている。韓国政府は長い間、キャッシュレス化に取り組んでいる。多くの方策が提案されており、仮想通貨の導入に関心をもっている。

 トークンポストによると、韓国銀行は、「2017年決済報告書」で、キャッシュレス社会のパイロットプロジェクトを正式に公表した。ブロックチェーンとパスワードを決済に利用するなどの、ブロックチェーンと仮想通貨の利用可能性を検討しているという。また、デジタル通貨の研究や、仮想通貨が金融システム全体に及ぼす影響を分析する組織も設立された。

 このプロジェクトの主な目的は、利用者の利便性を向上させ、現金の製造コストを削減することだ。韓国では16年、現金の発行に537億ウォン(約54億8000万円)が費やされた。政府は、現金志向の強い地下経済を開放するための手段として、このプロジェクトを利用する方針だ。新韓投資のアナリスト、カク・ヒョンス氏は次のように述べている。

「地下経済を開放することができ、その結果、課税の公平性を高めることができる。(キャッシュレス社会の発展により)映画に出てくるような5万ウォン分の紙幣が詰め込まれた靴箱を現実に目にすることはなくなるだろう」

 コリア・タイムズによると、韓国政府は現金の漸次廃止を16年に検討し始めた。20年までにキャッシュレス社会の実現を目標としている。韓国銀行は昨年4月、利用者が買い物のつり銭を、プリペードカードやモバイルカードにチャージし、コンビニやディカウントストア、デパートなどで使えるコインレス社会のテスト事業を開始した。

 1月には、仮想通貨に対して省庁間で異なる方針が発表され、市場が混乱した。法務部は、仮想通貨取引を禁止する計画を独断で宣言したが、その後、企画財政相が、政府は仮想通貨取引を禁止する予定はないと述べ、最終的には国務調整室長が2月にこれを支持した。

 コインテレグラフはこのほど、韓国最大の仮想通貨取引所のビッサムが、国内におけるデジタル通貨の普及に取り組んでいると報じた。同社は銀行のようなビジネスを展開し、日常生活で仮想通貨をより容易に利用できるサービスの提供を目指している。