ロシア国家院の立法委員会が、デジタルエコノミーの基本的な規範を、ロシア連邦民法典に追加することになる、第一読会に提出された構想を支持する立場を示した。この動きは、ロシア国内における仮想通貨規制に向けた新たな一歩を示している。現地メディアのイズベスチヤが16日に伝えた

 統一ロシア党員であり立法委員会の委員長を務めるパヴェル・クラシェニンニコフ氏は、「犯罪で得た収入の合法化、詐欺破産、またはテロ集団の援助を目的として、デジタル通貨を用いて規制されていないデジタル環境に資産を送るという不正行為が発生する既存のリスクを最小限に抑える」ことがこの構想の狙いだと述べた。

 来週検討される予定のこの構想は、デジタル通貨が適法な支払い手段になるということを意味しているわけではない。その代わりに、中央銀行、財務省、および経済開発貿易省により定められる別の法律が、デジタル通貨を「規制された金額の」支払い手段として使用するための条件を設けることになる。一方、この構想は、スマートコントラクト内のユーザーによるデジタル署名が当人の書面による同意に相当することを主張している。

 ロシアはまず今年3月に「デジタル金融資産関連」法案をまとめた。これは、7月1日に仮想通貨規制を法制化するというウラジミール・プーチン大統領の決定により作成された仮想通貨とイニシャル・コイン・オファリング(ICO)規制に関する連邦法案だ。

 3月20日の法案は、仮想通貨とトークンを、公認の仮想通貨取引所でのみ取引することが可能な資産と定義し、さらに、マネーロンダリング防止(AML)とテロ資金対策(CTF)に関する規制に従うことを仮想通貨取引所の顧客口座に要求している。4月中旬に公表された法案の検討素案には、約9600ドル以上の法定通貨と仮想通貨を交換する場合、強制的な為替規制が適用されるという新たな条項が加えられた。

 モスクワにあるプレハーノフ記念ロシア経済アカデミーの「弁護士のためのブロックチェーン」という課程を率いるイーゴリ・スデッツ氏は、イズベスチヤに対して以下のように述べた。「仮想通貨とトークンがロシア連邦の法律に加えられることが重要である」

「仮想通貨やトークンは、見逃すべきではない機会であると同時に、これらが法律分野に含まれていない場合、(犯罪者たちに)何の影響も与えることなく、賄賂、破産した場合の資金の引き出し、不正な給料の支払いに使用されたり、単に盗まれる可能性がある」