【リップルCEOインタビュー】 「政府はなくならない、英中銀を顧客に持って誇りに思う」

 米リップルCEOのブラッド・ガーリングハウス氏は、今年初旬にサンフランシスコで開かれたブロックチェーン・コネクト会議で、リップルが解決できるグローバル市場における課題と、政府による規制と伝統的な金融体制に対しどう対応していくかをコインテレグラフに語った。

 ハーバード大学ビジネススクールを卒業したガーリングハウス氏は、ヤフーのシニア・バイス・プレジデントやAOLにおけるコンシューマアプリケーション代表など様々な役職に就いてきた。彼はまた、Ancestry.comやトニック・ヘルス、そしてAnimotoの理事も務めた。

 リップル(ネイティブ通貨:XRP)は、同社のブロックチェーン技術を使って世界中に通貨を送金している。提携している企業や金融機関は100社以上だ。
 

 リップルの興隆
  コイン・マーケット・キャップのデータによると、リップルの価格は昨年12月中旬に急上昇し、1月4日には1XRP=4ドルの最高値を記録した。提携企業や機関の増加や、韓国の仮想通貨市場においてXRPの時価総額が1月の初旬にアルトコインでは初めて100億ドル(約1兆円)を超えたことなどが、リップルの価値を高めた。
 2018年1月初旬、コイン・マーケット・キャップは韓国の主要な取引所をリストから除外し、XRPの時価総額は一気に20億ドル以上下落した。

 

Ripple Charts

 2018年に入り、リップルは複数の金融機関との提携を発表している。2月7日には、中国拠点で決済サービスを手がけるリアン・リアンとの提携を発表。一週間後には、サウジアラビア金融庁と新たに協力関係を結び、国境を超えて銀行向けに決済の試験事業を開始することを明らかにした。

 14日には、決済の老舗ウエスタンユニオンがリップルのブロックチェーン決済システムを使って試験的に取引を開始すると明らかにしている。

 時価総額37億ドルのリップルは、現在コイン・マーケット・キャップの中で二番目に大きいアルトコイン企業であり、平均時価は1ドルをやや下回り、この日は4.67パーセント下落している。

 

 コインテレグラフ(CT):1月のリップル価格の急上昇と下降、そしていくつもの提携の発表、これらを踏まえ、過去数カ月のリップルの流星のような動きには、何が背景としてあったのか?

 ブラッド:何がマーケットを実際に動かしているのか知ることは難しい。リップルについて言えば、我々はずっと顧客の現実的な問題を解決しようとしてきた。多くの誇張がブロックチェーンを巡る言説に見られるが、長い目で見れば、仮想通貨の価値は、その利便性で決まる。実際の顧客の現実的な問題を解決できないならば、このようにデジタル資産を加速化させることができなかった。

 仮想通貨やブロックチェーンのみならず、全ての市場において何度も目にしてきたことは、現実問題を解決しようという考えだ。もしあなたが実際に顧客の現実問題を解決できるなら、あなたは価値ある者とされる。特に、その問題が大きければ大きいほど。

 リップルにとって、グローバル市場の流動性というのは、兆ドル規模のものだ。人々はリップルが顧客から支持を得ていることに気付き始めている。リップルは注目されている。

 ブロックチェーンの界隈では多くの科学実験が行われている。我々はまだスタートしたばかりだが、スタートから一歩を踏み出した唯一の企業だろう。まだ多くの人が実験を繰り返し、マーケットに製品を合わせようとしているはずだ。

 

 アメリカの規制とリップル

 2017年は世界で規制が大きく変わった年だった。中国における仮想通貨禁止から、日本の仮想通貨に対し友好的な規制まで。しかしアメリカは、仮想通貨、ブロックチェーン技術、そして特にICOについて規制の枠組みを提示できないでいる。

 昨年の12月、連邦準備制度理事会議長のジャネット・イエレンが、「仮想通貨を規制する権限は無い」という2014年の声明を繰り返した。銀行がアメリカの法律に則っているか監視するのに、仮想通貨か通常の通貨かというのは関係ないと言うのだ。

 アメリカ証券取引委員会(SEC)が、投資家に対してICOのリスクについて警告した後、SECと米国商品先物取引委員会(CFTC)は今年の2月6日、仮想通貨についての合同公聴会を開いた。その結果、彼らは規制当局が、抜け目ない規制を仮想通貨に対し設置し、ブロックチェーンの発展を助け、ICOが米国証券取引法に適っているか注意を払う、と決定した。

 SECは投資家を保護する目的で、2月16日に仮想通貨関連企業3社の取引を凍結した。28日には、SECがOverstock.comやTechCrunchの創業者によって作られた仮想通貨基金を含む80もの仮想通貨関連企業の取り調べに着手したとメディアが報じた。同じ頃、米国のアリゾナ州、ワイオミング州、ジョージア州では、課税法と証券法における仮想通貨関連法案が可決された。
 
 CT:リップルはアメリカを拠点にしている。国内外の規制への対応は?

 ブラッド:二つ考えがある。

 一つは、人々がリップルをひねくれ者だと見ているという事について、私は奇妙に感じている。私たちは当初から政府や銀行と共に働く道を探ってきた。しかし仮想通貨コミュニティーの中には、「どのように政府を破壊するのか。どのように銀行を出し抜くのか」と考えている者もいる。

 私たちは違う。結局のところ政府は無くならないだろう。私が生きている間に、それが起こるとは思わない。イングランド銀行をリップルの顧客と呼べることは誇りだ。私たちは、仮想通貨やブロックチェーンによく練られた規制が必要だと強く信じている。

 顧客と関わる時、私たちは既存の規制を変更しようとはしていない。例えば、X銀行が口座を持っているとして、あなたは顧客確認をしなければならない。もしX銀行がリップル技術を使っているとしても、あなたは顧客確認や、マネーローンダリング対策もしなければならないし、OFAC規制も必要なのだ。

 規制当局に話す時、彼らにはリップルが規制を出し抜こうとしているのではないことを説明する。そうすると彼らはすぐ打ち解けて、こう言う。「なるほど、分かった。良い商品がより安くなるなら、これ以上のことはない」。

 CT:ありがとう。