JPモルガン・チェースがブロックチェーン部門「クオラム(Quorum)」をイーサリアム系のブロックチェーン開発企業コンセンシスと合併する。2月11日付のロイター通信が匿名の関係者の話として報じた。
今後6カ月のうちに合併が正式に発表されるという。合併に関する詳細については協議中だ。
クオラムは、JPモルガンのプライベートブロックチェーンでありイーサリアムを基盤にしている。世界中に開発者約25名を抱えるプロジェクトだという。
クオラムは、JPモルガンが開発中の銀行間送金システムIINの基盤となっている。IINには現在320の銀行が参加している。
また、先月、4大穀物メジャーとして知られるアーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)、ブンゲ(Bunge)、カーギル(Cargill)、ルイ・ドレフュス(Louis Dreyfus Corporation)が、クオラムを使って農業ビジネスにおけるサプライチェーンの効率化・自動化、また信頼性・透明性の向上を目指すことが報じられた。
さらにクオラムは、JPモルガンの独自デジタル通貨であるJPMコインの開発基盤でもある。
ロイターによると、コンセンシスとの合併がJPMコインやIINへの開発に影響を与えることはない。コンセンシスは、イーサリアムエコシステムにおける影響力が大きいことからJPモルガンのパートナーとして選ばれたという。
コンセンシスは縮小
2月4日にコンセンシスは、従業員を約14%解雇したと発表。ソフトウェア部門と投資部門を切り分けて、「ソフトウェア開発のニーズに合わせてチームを再編成する」と声明で述べた。
また、2018年12月にコンセンシスは、社員1200人のうち50~60%を解雇していくと報じられた。しかし2019年1月、コンセンシス幹部はコインテレグラフに対し、実際に解雇されたのは1割以下で主にサポートスタッフであると述べていた。
仮想通貨イーサ(ETH)は上昇を続けている。執筆時点までの24時間でイーサは6%超も上昇し、235ドルを突破した。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン
【関連記事:ブロックチェーン開発企業コンセンシス、従業員の14%を解雇|ソフトウェア事業と切り分け】
【関連記事:コンセンシス、トークン化したデジタル地方債の発行支援に向け証券会社を買収】
【関連記事:4大穀物メジャー、JPモルガン主導のブロックチェーン「クオラム」で農作物サプライチェーンを効率化】
【関連記事:JPモルガンの分散型台帳技術をフォーク、「ハイブリッドブロックチェーン」をうたう「Kadena」が立ち上げ】
【関連記事:JPモルガンのブロックチェーンプラットフォーム「INN」、来年はじめにも日本で展開=ブルームバーグ】
【関連記事:JPモルガン、デリバティブ取引にブロックチェーン導入 現金・担保処理を自動化】