イーサリアム上のdApps(分散型アプリ)開発などで有名なコンセンシス社で噂されていた大量解雇について、コンセンシス幹部がコインテレグラフの取材に答え、実際に解雇されたのは1割以下で主にサポートスタッフであると述べた。同社は昨年末、Vergeの報道などで約6割の解雇が予定されていると広く報じられており、去年の弱気相場によって事業規模を縮小した仮想通貨・ブロックチェーン企業の象徴の一つと見られていた。
同社エンタープライズ部門とソーシャル・インパクト部門のエグゼクティブ・ディレクターである Vanessa Grellet氏は1月18日、スイスで開催されているクリプト・ファイナンス・カンファレンスでコインテレグラフへの取材に応じ、人員整理は「自然な措置」であり、開発者や技術関連の従業員はほとんど影響を受けておらず、主に影響を受けたのはサポートスタッフであったと語った。
「私は(コンセンシスで)2年半勤務しています。私が入社したとき、私たちのスタッフは60人規模でした。そして私たちは世界中に1200人の従業員を持つ会社へと成長しました。雇用戦略は、その時々で機会やプロジェクトがどこにあったかに関係していました。そして我々は少しだけ速く成長しすぎました。」
また、同氏は、彼女が働いたことのある大手金融機関でも人員削減は頻繁にあることと指摘。会社の成長に伴って毎年2回ほど再編すると述べた。
さらにブロックチェーン業界の危機の兆候、そしてコンセンシスが約束していた期待に応えられてないのではないかという批判に対し、Grellet氏は、ブロックチェーン技術に対する大きな興味は依然として強く感じられると指摘。また、コンセンシスは、業界を前進させるようないくつかのプロジェクトを成し遂げている、とも主張した。
衝撃与えた「6割解雇報道」
コンセンシスの創業者のジョセフ・ルービン氏は昨年12月に「約6割の解雇か」と噂されていた際、コンセンシスは健全な状態を保っていると語った。彼はまた、「実際のデータを持たず、大した知見もない」ジャーナリストやブロガーについて苦言を呈し、彼らによって「壮大な量の推測や先制的なパラノイア」が引き起こされていると述べていた。
また6割解雇報道を受けて、イーサリアムのコミュニティーが崩壊しつつあるという見方も出ていた。
仮想通貨トロンのジャスティン・サンCEOが、イーサリアム とコンセンシスが徐々に崩壊しているとツイート。コンセンシスとイーサリアムの開発者に対して、履歴書をトロンに送って、新しい機会をつかむように呼びかけていた。
フォーブスは、ルービン氏について相場の調子が良かった時は「すべてにイエスと答える」人物であり、コンセンシス内では収入を生み出すプレッシャーがなかったいう関係者の証言を報道。理想先行のビジネスモデルだったという見方を伝えていた。
ConsenSys(コンセンシス)とは、アメリカのニューヨークに拠点を置くブロックチェーン技術を用いた分散型アプリ(DApps)の開発を手掛ける会社。創業者は、DApps開発最大のプラットフォームであるイーサリアムの共同設立者であるジョセフ・ルービン氏。ブロックチェーン技術がもたらす分散型社会の構築に向け、様々なソリューションを提供したり、開発ノウハウのプラットフォームとして機能することを目的としている。次世代のインターネット様式であるWeb3.0にも力を入れている。同社はライバル企業にも出資を行うなど分散型社会に向けた積極的な姿勢を見せ、同業界の牽引役としても注目を集める。
コインテレグラフのLINE@アカウントができました!
— コインテレグラフ⚡仮想通貨ニュース (@JpCointelegraph) 2018年10月31日
毎日のニュースまとめをLINEで配信してます!
こちらから登録してください!https://t.co/r9ZlA6PaWc pic.twitter.com/R9ovDWCw79