ビットコイン詐欺で逮捕状が出ているアレクサンダー・ヴィニック氏の扱いを巡り、ギリシャの裁判所はロシア側の引き渡しを要請を支持したたため、事態が複雑化している。AP通信が30日にレポートしている。ヴィニック被告は、Mt.Goxのハッキングにも関与が噂されている人物だ

 ギリシャのテッサロニキ裁判所は、ロシアの引き渡し要請を支持した。30日に開かれた審問で、ヴィニック被告は、不正行為についての起訴内容を否認し、米国のグローバルな金融支配と戦っていると主張した。今回の裁判所の決定は、米国とフランスがヴィニック氏の引き渡しを求めている中、事態をより一層複雑にするものとなった。

 仮想通貨取引所「BTC - e」の元オーナーだったヴィニック氏は、昨年7月、米司法省の要請を受け、ギリシャの警察当局に逮捕された。米当局は、ヴィニック氏が6年間にわたり40億ドルの資金をビットコインでマネーロンダリグしたとみている。

 7月13日、ギリシャの裁判所はフランスからのヴィニック氏の引き渡しを許可。これに対して、ヴィニック被告の弁護人が、ギリシャ最高裁に対して上告する予定であると述べていた。

 フランス当局は、ヴィニック氏が16年から18年の間にフランスの6つの年で100人以上に対して詐欺を行った容疑で逮捕状を出している。ヴィニック氏は「プラットフォームを通じて電子マネーの送金をした」がこれは「合法な個人的取引」であるとして、容疑を否認している

 さらにロシア外務省は、ヴィニック氏の引き渡しはロシア側がフランスよりも優先されるべきだと主張していた。

 最終的にどの国に対してヴィニック氏を引き渡すのかは、ギリシャの司法長官の判断に委ねられることとなる。