カナダの仮想通貨(暗号資産)取引所クアドリガCXの創業者兼最高経営責任者(CEO)だったジェラルド・コットン氏が18ヶ月前にインドで急死し、コールドウォレットへのアクセスができなくなった。
しかし、多くの仮想通貨ユーザーはまだコットン氏が生きているのではないかと疑っている。クアドリガのケースは出口詐欺の1種ではなかったのかと疑っているようだ。
オンラインで開催された仮想通貨カンファレンス「コンセンサス2020」でクアドリガに関するオンラインアンケートが実施された。オンラインの視聴者60%が、コットン氏はまだ生きていると信じていており、さらに90%がコットン氏の遺体を検死解剖するべきだと考えている。
クアドリガユーザー「規制の欠如が問題」
クアドリガのコールドウォレットと秘密鍵を管理していたのがCEOだったコットン氏のみだったため、何千人ものユーザーが自身の仮想通貨にアクセスできない状況となった(アクセスできなくなった資金は160億円相当にのぼる)。
ユーザーの1人だったトン・ゾウ氏は、イベントの中で自身の経験を語っている。クアドリガのケースで、彼は貴重な財産だった40万ドル(約4200万円)以上にアクセスできなくなった。彼はクアドリガを通じて仮想通貨でカナダへ送金しようとしていたという。
「私は依然よりも(仮想通貨に対して)保守的になった」と、ゾウ氏は語っている。クアドリガは当時、歴史のある取引所の1つだった。そのため、ゾウ氏は、クアドリガを使うことが安全かつ最新の送金方法だと考えていたという。自身のお金を引き出すことができなくなったとき、何が起こっているのか信じることができなかったと振り返っている。
「歴史がある取引所でさえ失敗する可能がある」とゾウ氏は語る。彼は、仮想通貨を巡る大きな問題は、クアドリガで起こったようなケースを防ぐ規制の欠如だと指摘している。
破産したクアドリガの債権者らは昨年12月、カナダの警察当局にコットン氏の遺体の検死解剖をするよう要請したが、現在に至ってもまだ検死解剖は行われていない。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン