リップルが出資している国際送金大手のマネーグラムが今月11日に発表した新サービス「FastSend」では、リップルの技術を使用していないことがわかった。

FastSendはユーザーが専用ウェブサイトかモバイルアプリで、特定の電話番号にリアルタイムで送金できるサービス。VISAのダイレクト・オリジナル・クレジット・トランザクションを使うことでデビットカードの預金を通じて銀行口座に送金できる。

コインテレグラフに対して、マネーグラムの最高執行責任者(COO)であるカミラ・チチル氏は、分散型台帳技術(DLT)は使っていないが、オープンソースのクラウドベースサービスを利用していることを明らかにした。リップルは今回のサービスに関わっていないという。

しかし、マネーグラムはリップルのブロックチェーンを広範囲のサービスに活用していることを説明した。

「現在、マネーグラムはリップルのODL(オンデマンド・リクイディティ)を利用している。ODLによってマネーグラムはXRPを使用して、企業レベルのFX取引ができる。これは消費者側には出てこない、バックエンドの機能だ」

さらにチチル氏はブロックチェーンは国境を超えた支払いと送金の未来であると指摘した。マネーグラムはリップルのツールを最大限に活用するために複数のユースケースを検討しており、リップルの最新サービスとと統合することでユーザーにキャッシュアウトサービスを提供していると強調した。

積極的に各国に進出

マネーグラムは世界中に同社のサービスを展開している。

今年1月にはエジプトのスエズ運河銀行と戦略的パートナーシップを締結。さらにインドの送金業者エビックスキャッシュ(Ebixcash)と独占提携し、インドにいる数百人の顧客をターゲットにすることを発表した。

今月6日にはシンガポールの顧客向けにウェブサイトも立ち上げた。

チチル氏は「コンシューマ事業でのデジタル成長加速は、企業戦略の中核である」と述べ、東南アジア最大の送金市場であるシンガポール進出は国際的な成長の一環であるとしている。

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翻訳・編集 コインテレグラフジャパン