昨夜の仮想通貨相場暴落の要因について様々な説が出ている。グーグルの量子コンピューター説やフェイスブックCEOの議会証言説の他に、一部のマイナーによるパニック売り説が出ている。

(出典:Coin360 10月24日午前10時30分時点)

ビットコインは下げ止まりの傾向を見せているが、依然7500ドルを下回っている。イーサは5%以上、XRPは6%以上のマイナスだった。

見方は分かれるものの、量子コンピューターの仮想通貨への脅威に対して投資家の不安は高まった可能性がある。また、ザッカーバーグCEOの議会証言に臨む姿勢をみてあきらめた投資家もいるかもしれない。

リブラは、6月のホワイトペーパー発表後、仮想通貨業界全体への信頼感が高まるとして期待されていた。米政府による仮想通貨業界への敵意を深刻なリスク材料とみるアナリストもいる。

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ただ、ビットコインが暴落したのは、昨日の21時40分ころ。グーグルの”量子超越”発表からは約3時間後、ザッカーバーグCEOの議会証言の1時間以上前だった。

マイナーによるパニック売り説

一方、ビットコインのブロック生成をする一部マイナーの損益分岐点(ブレークイーブン)が7900ドル~7500ドルの間にあったという見方も出ている。

仮想通貨投資会社BKCMの創業者ブライアン・ケリー氏は、CNBCに対して、「高性能で高価なコンピューターでビットコインを作るマイナーの損益分岐点が7900ドル~7500ドルの間にあり、その水準を下回ればマイナーは売らなければならなくなる」と分析した。

ファンドストラットによると、9月時点で中国のビットメインなどが使っているアントマイナーS9は、1BTCを生成するのにかかるコストが7293ドル~8528ドルと推定されている。

仮想通貨投資会社プリミティブ・ベンチャーズのドビー・ワン氏もこの分析に同意。マイナーの「シャットダウン価格」一覧を掲載し、「アントマイナーS9を使う全てのマイナーによるパニック売りではないか」と述べた

ワン氏の一覧によると、アントマイナーS9シリースのシャットダウン価格は、0.06ドル/KWhで7855.97ドル〜7190.62ドルとなっている。

ちなみにケリー氏は、ザッカーバーグCEOの議会証言は「副次効果」とし、「買い手はQ&Aを聞くまで買いたがらないものだ」と述べた。

ザッカーバーグCEOの議会証言は、日本時間の23日午後11時10分過ぎに始まった。議長の声明、ザッカーバーグ氏による声明の読み上げの後にQ&Aが始まった。

XRPは若干反発、カルダノやIOTAは下落

XRPもビットコイン同様に暴落。一時0.25ドル台まで下落したが、現在は0.27ドル台まで戻している。来月にリップル社主催のカンファレンスSWELLを控えている他、10月に入ってからXRPへの期待は高まっている

イーサは162ドル付近で推移。グーグルの量子コンピューターはPoS採用の仮想通貨に朗報という報道もあった。イーサリアムは、PoS採用を目指している。

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一方、量子コンピューターに耐性のあるとされるカルダノ(ADA)は6%近く、IOTAは7%以上のマイナスとなっている。