マレーシアで27日、新たなマネーロンダリング対策法が発効し、同国の仮想通貨取引所では利用者の身元確認が義務付けられるようになった。

 マレーシア国立銀行から提供された法文と公式プレスリリースのコピーによると、仮想通貨から法定通貨、法定通貨から仮想通貨、さらに仮想通貨同士の取引を提供する全ての取引所に「顧客を特定し、顧客の身元を確認すること」が義務付けられる。

 コインテレグラフが昨年記事の中で報じたように、マレーシア国立銀行のタン・スリ・ムハンマド・ビン・イブラヒム総裁はデジタル通貨の違法な使用を防ぐ管理の必要性を強調していた。

 「デジタル通貨の出現は、一部の人が予測するように、金融部門の新時代の始まりを示すものになる。当局としては、こうした展開に無関心でいるわけにはいかない」。

 取引所の運営者は、新規アカウントや既存アカウントが合法的に活動を続けるのを認める際に、「顧客のデューデリジェンス」に関わるさまざまな規制に従わなければならない。

 法令によると「信頼できる、独立した身元確認のための文書、データもしくは情報」、具体的には政府発行のIDの確認が求められる。

 「個人顧客または受益者に対するデューデリジェンスを行うにあたり、届け出を行う機関には、最低限、以下の情報を取得することが求められる。

(a)氏名

(b)政府発行の身分証明カード (NRIC)番号、パスポート番号、顧客または受益者の写真が入ったその他公的書類のうちのいずれか

(c)住所または連絡先

(d)誕生日

(e)国籍

(f)取引の目的

 仮想通貨取引市場の透明性を高める正式な措置は、かねてより賛同者から楽観的に受け止められてきた。

 アジアでは、昨年4月から準備が始まった日本の取引所ライセンス制度により、仮想通貨を広くメインストリームのユーザーに普及させるにはこうした規制が不可欠であるという議論に拍車がかかっている。

 日本の隣の韓国でも、今年6月の選挙後を目途に、取引所に対するライセンス制度の導入が検討されている。同国では既に、仮想通貨取引所の全てのユーザーに対して、アカウントの名義を銀行口座と連携させることが義務付けられている。