日本銀行は、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の概念実証(PoC)実験の第2フェーズの結果を発表し、予定通り4月にCBDCパイロットプロジェクトを開始したことを確認した。PoC第2フェーズは2022年4月から2023年3月までの1年間実施され、第1フェーズの1年間の実験でテストされた基本的な台帳機能を補完する機能について検討された。

日本銀行の報告書によれば、第2フェーズでは、CBDC保有上限の設定技術がテストされ、これを「銀行口座からCBDCへの突然のシフトがあった場合の金融システムの安定性を確保するための安全策」と説明した。これには、1人のユーザーが複数の仲介者と複数のアカウントを持つ場合も含まれていた。また、支払いの開始やスケジューリングにおけるユーザーの利便性も検討された。

バックエンドでは、データベース言語と台帳設計に関する実験が行われ、変動額面方式のトークンモデルが試験された。また、同一アカウントでの複数の取引をより迅速に処理するためのオーケストレーションシステムが導入された。

実験は、5つの仲介者と共に10万のユーザーを想定し、1秒あたり500取引と3000取引の負荷を見て、スケーラビリティの拡大について議論した。オフライン決済は、不正防止とプライバシーの保護の文脈で議論された。

これらのPoCは、目的とする結果を達成したと宣言され、報告書は日本銀行が予定通りのCBDCパイロットプロジェクトに移行したことを確認した。パイロットプロジェクトでは、「エンドツーエンドのプロセスフロー」や外部システムとのさらなる接続を調査する。報告書は「CBDCを発行するかどうかは、日本国民全体の議論によって決定されるべきである」とも付け加えている

CBDCフォーラムが設立され、民間企業からの洞察を得る予定である。日本銀行は、2026年までにCBDCの発行について最終決定を下すと報道されている

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン