ビットコイン(BTC)はここ数日で10%上昇し、過去最高値にまであと6000ドルと迫っている。トレーディングのデータによれば、価格は一時10万4000ドルを突破し、市場を驚かせた。

この急騰は、米国と英国の貿易協定の報道に伴うものとされ、相場の変動要因が「ヘッドライン頼み」であることへの懸念が再び浮上している。

トランプ関連報道に過敏な市場

トレーダーのスキュー氏は5月8日のX投稿「今回の上昇は、再びニュースの見出し主導によるものだ。このため、今日の取引は極めて重要な局面にある」と述べた。

ここ数カ月、ビットコインをはじめとするリスク資産は、トランプ米大統領による発言や関税政策に関する報道やSNS投稿に大きく反応してきた。

今回の上昇も、米英間の貿易協定合意報道が引き金となったが、市場の楽観ムードがどこまで続くかは不透明だ。

スキュー氏は「市場はこれを機に、EUや中国との貿易協定交渉にも弾みがつくことを期待しているだろう」と指摘した。

また同氏は、現在必要なのは「パッシブフロー(受動的資金流入)」であり、それが新たな価格帯をサポートラインへと転換させると述べた。

「特に、10万ドル突破のような大規模な買いがあった後は、高値水準を定着させるにはパッシブフローが不可欠になる」と付け加えた。
BTC/USD 1-hour chart. Source: Cointelegraph/TradingView

フィボナッチ分析が示す「最後の関門」

ビットコインの現在価格は、テクニカル指標上の重要な局面に差しかかっている。Xユーザーのパトリック・H氏は「BTCは、新たな過去最高値を更新する前の、最後のテクニカル水準に差しかかっている」と指摘する。

同氏によると、ビットコインはすでに1.618のフィボナッチ水準を明確に突破しており、現在は出来高帯高値(VAH)および弱い抵抗トレンドライン付近で取引されているという。

BTC/USDT 1-day chart with Fibonacci levels. Source: Patric H./X

また、キングピン・クリプトという別のアカウントも「1.618の月足レベルでの突破を試みる明確な動きがある」と指摘。「この水準での拒否と調整は5月まで続いたが、テクニカル的に極めて美しく機能している」と述べた。

BTC/USDT 1-month chart with Fibonacci levels. Source: Kingpin Crypto/X

一方、注意すべき点として、現在の価格帯におけるオーダーブックの流動性が挙げられる。

コイングラスの最新データによると、10万3000ドル以下の買い注文は食い尽くされつつあり、特に関心が集中しているのは10万ドル以下の水準だ。

反対に、上値にはそれほど抵抗がなく、多くのショートポジションはすでに清算済みとなっている。

Bitcoin liquidation heatmap (screenshot). Source: CoinGlass

「上値にはショートの清算ゾーンがほとんど残っていない」とトレーダーのキングフィッシャー氏はXで指摘する。「このような顕著な非対称性があることで、下方向の清算ゾーンは、価格が吸引されやすいボラティリティの要所となりうる」と警告した。

Bitcoin exchange order book liquidity data. Source: TheKingfisher/X

本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。

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