ギリシャ最高行政裁判所は、マネーロンダリングなど様々な仮想通貨関連事件に関与したとされるロシア人、アレクサンダー・ヴィニック氏のフランスへの引き渡し決定を差し止めた。ロイター通信が12月23日に報じた。

ヴィニック氏はロシアの仮想通貨取引所BTC-eの運営者だったが、日本のマウントゴックス事件にも関連が取り沙汰されている人物だ。

同氏は、2017年7月にギリシャで拘束されていた。その後、フランス、ロシアの3ヵ国が引き渡しを求めて綱引きをしていたが、先週にギリシャの法務大臣がフランスへの引き渡しを決定していた

しかし、今回ヴィニック氏の弁護士は、最高裁が上告を受理するまで差し止めしたと述べている。差し止め期間は定まっていない。

またヴィニック氏は、フランスへの引き渡しに対して反対の姿勢を示し、新たなハンガーストライキを開始。ヴィニック氏の弁護士は、引き渡し決定は同氏を死に追いやる「死刑判決だ」と非難している。

またロイターの報道によれば、ギリシャの法務大臣の決定では、引き渡しの順番がフランス、米国、ロシアの順となっている。つまり、フランスでの司法手続きが完了した後には、米国に引き渡されることになるという。

既に2年以上ギリシャで拘束

17年7月、米司法省はヴィニック氏が40億ドル以上のマネーロンダリングに関与したとして起訴した。ギリシャ当局は米国政府の要請でヴィニック氏を逮捕。その後、ロシア側もヴィニック氏が詐欺事件に関与しているとし、ギリシャ側にロシアへの引き渡しを要求した。

さらに2018年6月、フランス当局は、2016年から2018年の間にフランスの6都市において100人以上に詐欺行為をしたとしてヴィニック被告を告訴。ギリシャに対して引き渡しを要請していた。

昨年12月、ギリシャの最高裁がフランスへの引き渡しを支持する判決を下した。ただその後も、ヴィニック氏側のハンガーストライキや、ロシア政府の圧力などがあり、正式な引き渡し決定が行われていなかった。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン