欧州連合(EU)の加盟国5カ国は、フェイスブックの仮想通貨「リブラ」の発行を阻止する目的で連携した。10月30日にポリティコ・ヨーロッパが報じた。

フランスを筆頭に、ドイツ、イタリア、スペイン、オランダが10月に非公式会合を重ね、連携を決定したとされる。

この5カ国のグループは、リブラの欧州での公開を阻止する意図で、フェイスブックとリブラ協会の参加企業に同プロジェクトを諦めるよう圧力をかけるつもりという。ユーロ圏の外交官および欧州委員会(EC)高官は、この5ヵ国がEUに対してリブラを禁止するよう働きかけていることを認めた

法的根拠なしの禁止は難しいとの声も

しかし一方で、欧州委員会は、法的根拠なしにリブラを完全に禁止することは問題となりうると当局者はポリティコに答えている。例えば、EU当局がリブラを禁止する法的理由や適用される規則の詳細を提示することを求める可能性がある。

また、欧州委高官らは、リブラへの強硬な反発は、EUでの新技術を使った商品やサービスの開発への否定的な影響が高まる可能性を懸念。リブラに関する厳しい対策に関しては十分な注意が必要との考えだ

今回の報道によると、反リブラのグループは「EUが規制できない限り、リブラの公開は許可されない」との声明を12月に発表予定で動いている。

フランスとドイツは従来から、リブラに対する強硬な反対論を唱えている。

フランスのル・メール財務相は、リブラについて「その存在を容認できない」とまで発言。ドイツのショルツ財務相は「とても、とても懐疑的だ」と述べている

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翻訳・編集 コインテレグラフ日本版