米国連邦準備制度理事会(FRB)が最近開催したカンファレンスに関する記録によると、専門家の多くは米ドルの中央銀行デジタル通貨(CBDC)が世界の通貨エコシステムを劇的に変えることはないと考えていることがわかった。

カンファレンスのパネリストはまた、米国外でのCBDCの発展はドルの地位を脅かすものではないとも考えている。

 

この評価は、6月16日と17日に開催されたFRB主催の「米ドルの国際的役割」というカンファレンスの専門家パネルによるもので、記録にまとめられ、7月5日にFRBから発表さた。このカンファレンスでは、政策立案者、研究者、マーケット専門家が、新しい技術や決済システムなど「将来的に米ドルの優位性を変える可能性のある要因」について議論した。

デジタル資産とCBDCがドルに優位性をもたらすかどうかを取り上げたパネルでの議論では、基盤となる技術だけでは「世界の通貨エコシステムに劇的な変化をもたらす」ことはないだろうという点でパネリストの意見が一致した。

パネリストたちは、米ドルのような支配的な基軸通貨にとって、市場の厚みとともに、市場や政治の安定性といった要因が、FRBが発行するデジタルドルの開発よりも重要であるという点で意見が一致した。

また、他国によるCBDCの開発は、その国の国内リテール市場により重点を置く傾向があるため、「米ドルの国際的地位を脅かすものではない」というのがパネルでの一般的な見解であった。