大手仮想通貨取引所バイナンスは、トレーディングビュー(TradiingView)の元幹部を起用し、法定通貨と仮想通貨のゲートウェイをさらに強化することを計画している。

2月6日に発表によれば、仮想通貨チャートサービスのトレーディングビューの元最高執行責任者(COO)だったイスカンダル・マリコフ(Iskander Malikov)氏が、法定通貨担当の新しいディレクターとしてバイナンスに参画した。

欧州およびCIS地域に注力

マリコフ氏はトレーディングビューに3年以上在籍した後、現在はバイナンスで欧州および独立国家共同体(CIS)地域の法定通貨と仮想通貨のゲートウェイ構築に注力する。マリコフ氏は、主に新しい法定通貨チャネル確立と、既存の法定通貨チャネルの拡張に取り組むことになる。

さらにマリコフ氏は、法定通貨から仮想通貨への交換をより簡素化するためにより多くの方法を模索していると、発表では述べている。

最大の課題は「官僚主義」

トレーディングビューは仮想通貨投資家のための世界最大のソーシャルネットワークの1つだ。2011年に設立されたトレーディングビューは、分析やチャート作成、ユーザー同士がコミュニケーションするソーシャル機能など、主要なトレーダーツールを提供している。

マリコフ氏は、トレーディングビューでの過去の経験がバイナンスでの新しい戦略的パートナーシップ構築に役立つだろうと、コインテレグラフに語った。

「トレーディングビューは、日々の課題に取り組む方法を学ぶのに役立った。私のプロダクトへの知識、運用およびビジネス開発スキル、そしてトレーディングビューでの長年の経験は、間違いなく新しい戦略的パートナーシップの構築に役立つだろう」

マリコフ氏によれば、彼の新しい役割の中で最もチャレンジングな部分は、一部の欧州やCIS地域での業界拡大を妨げる、一部の「プロセスを妨げる官僚主義」に対処することだという。

「課題は、すべての政府および金融機関が仮想通貨を導入する準備ができているわけではなく、たとえそれができていたとしても、プロセスを妨げる大量の官僚主義が存在することだ」

バイナンスは180の法定通貨対応目指す

バイナンスのジャオ・チャンポンCEOは1月2日のブログの中で、最終的に世界180にのぼる法定通貨に対応していく考えを表明している。今回のトレーディングビューの元幹部起用は、この野心的な計画に沿ったものといえそうだ。

ジャオ・チャンポンCEOは「2020年の主要な目標の1つは、仮想通貨を大衆化することだ」とし、このために180を超える法定通貨で仮想通貨取引を可能にすることを目指すと語っている。

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