米国のトランプ大統領が、重罪で有罪を認めた仮想通貨取引所ビットメックスの共同創業者3名に対し、恩赦を与えたと報じられた。

3月28日のCNBCの報道によると、恩赦を受けたのはアーサー・ヘイズ氏、ベンジャミン・デロ氏、サミュエル・リード氏の3名で、マネーロンダリングや銀行秘密法違反に関するさまざまな刑事責任を問われていた。ヘイズ氏とデロ氏は2022年2月に有罪を認め、ビットメックスにおいて「意図的にマネーロンダリング防止プログラムの構築、実施、維持を怠った」と述べていた。リード氏もその数週間後に有罪を認めた。

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Source: Arthur Hayes

記事執筆時点では、ホワイトハウスからこの3名に対する恩赦を示唆する声明は出されておらず、コインテレグラフがビットメックスにコメントを求めたが、回答は得られていない。

トランプ氏は2025年1月20日の大統領就任以降、すでに多くの物議を醸す恩赦を実行しており、2021年1月6日の米連邦議会襲撃事件に関連した1500人以上への恩赦のほか、シルクロード創設者で11年以上服役していたロス・ウルブリヒト氏への恩赦も行っている。また、顧客資金の不正流用によって禁錮25年の判決を受けたFTX元CEOサム・バンクマン-フリード氏も、トランプ氏および共和党との関係強化を図り、恩赦の可能性を模索していると報じられている

米当局は2020年、ヘイズ氏、デロ氏、リード氏、そしてビットメックスの初期社員グレゴリー・ドワイヤー氏を、銀行秘密法違反の容疑で起訴した。ヘイズ氏は当時のビットメックスのCEOであったが、法的対立の最中にその職を辞している。

3人はすでに2022年に自宅軟禁または保護観察付きの判決を受けており、今回の恩赦の理由は明らかになっていない。また、米商品先物取引委員会(CFTC)との民事訴訟において、3人は合計3000万ドルの罰金支払いも命じられていた。

ビットメックスをめぐる米当局との係争では、2021年にCFTCおよび米金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)に対して1億ドルの和解金支払いに合意している。さらに、2025年1月にはビットメックスの親会社であるHDRグローバル・トレーディング・リミテッドに対し、裁判所が1億ドルの罰金と2年間の監督なし保護観察処分を言い渡している