中国人民銀行の副総裁 STOの違法性を指摘 「仮想通貨市場を浄化したのに」と苛立ちも

中国人民銀行の副総裁が、トークンを使った資金調達手段であるセキュリティー・トークン・オファリング(STO)は違法であるという見解を示した。中国のサウス・チャイナ・モーニング・ポストが9日に伝えた。1週間ほど前に北京市の規制当局が「最近見られるSTOは基本的に違法である」という見解を示したが、中国の中央銀行である中国人民銀行もSTOに対して同じ見方を示したことになる。

中国人民銀行の潘功勝(パン・ゴンシャン)副総裁は、仮想通貨は犯罪と紐づくものであると主張。北京のフォーラムで、「昨年、中国の仮想通貨市場を浄化したにもかかわらず、STOとイニシャル・コイン・オファリング(ICO)を用いた違法な資金調達は依然として横行している」とした。

セキュリティー・トークン・オファリング(STO)とは、Security Token Offeringの略。セキュリティ(証券)トークンを用いた資金調達。セキュリティトークンとは、一般的なトークンをユティリティトークンと表現するのに対し、発行したトークンを証券同等として扱うことで、区別するトークンの呼称。仮想通貨業界で行われる資金調達としてICO(イニシャル・コイン・オファリング)が有名だが、投機的な資金集中が問題視されている。これに対し、STOは証券法などの規制に準拠した資金調達を行うので、異常な資金の流れを正すことができる方法として注目されている。

また同総裁は、仮想通貨について中国政府の介入がなければ中国金融の安定に悪影響を及ぼしていただろうとこれまでの政策の妥当性を強調。「中国で行われたICOによる資金調達の大半は、ネズミ講などの詐欺が疑われる違法な資金調達であった」と振り返った。

1日には、北京市地方金融監督管理局の局長である霍学文(フオ・シューウェイ)氏もSTOの違法性を指摘したと報じられた。同氏は以下のように述べている。

「北京でSTOを行い、宣伝しようとしている者に警告する。北京でSTOを行わないように。行った者は捕まるだろう」