資産運用会社カナリー・キャピタルによるライトコイン(LTC)およびヘデラ(HBAR)の上場投資信託(ETF)は承認直前の段階にあるが、米政府の閉鎖により、実際のローンチは当面遅れる可能性が高い。
カナリー・キャピタルは10月7日、ライトコインおよびヘデラの現物ETFの申請を修正し、それぞれの手数料を0.95%とすること、そしてティッカーを「LTCC」と「HBR」とすることを追加した。
ブルームバーグのETFアナリスト、エリック・バルチュナス氏はX上で「これらの追加は通常、最終承認前の“最後の更新項目”だ」と述べた。
ただし、米政府が閉鎖中で証券取引委員会(SEC)がほぼ機能停止状態にあるため、正式な承認時期は不明だという。「とはいえ、ほぼ確定しているようにみえる」とバルチュナス氏はコメントした。
同じくブルームバーグのETFアナリスト、ジェームズ・セイファート氏も「LTCとHBARのETFは“ゴールライン目前”だ」と述べ、承認が近いとの見方を示した。
仮想通貨取引所ビットフィネックスのアナリストらは、8月のレポートで「アルトコイン連動ETFの承認は新たなアルトコイン相場を引き起こす可能性がある」と予測しており、これらのETFが新たな投資家層を呼び込む可能性があると指摘している。
手数料はビットコインETFより高めだが「想定の範囲内」
レジャーのデータによると、現物ビットコインETFの平均手数料は0.15〜0.25%で、カナリーの0.95%は大幅に高い水準となる。しかし、バルチュナス氏は「新たにETF化される、よりニッチな資産クラスでは手数料が高めに設定されるのは一般的」と説明した。
また同氏は、LTCおよびHBARのETFが十分な資金流入と投資家の関心を集めれば、他の発行体がより低コストの競合商品を投入してくる可能性もあると付け加えた。
政府閉鎖中でもETF申請は続く
政府閉鎖下にもかかわらず、ETF発行企業は次々と新規申請を行っているとバルチュナス氏とセイファート氏は指摘する。特に注目されるのは「3倍レバレッジ型ETF」だ。
3倍ETFとは、株式などの原資産の日次または月次の値動きを3倍に拡大して追跡する仕組みのETFだ。SECは過去、高ボラティリティと複雑性を理由に、レバレッジの高い仮想通貨ETFの承認を拒否または保留してきた。
ETF発行会社のタトル・キャピタルは新たに60本の3倍ETFを申請。グラナイトシェアーズもビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)を含む多様な資産を対象とするETFをまとめて提出した。プロシェアーズも同様に複数の申請を行っている。
バルチュナス氏は、3倍ETFの申請は現在およそ250件に達していると推定し、「発行体は手当たり次第に大量申請している。理由は簡単、儲かるからだ」と述べた。
さらに、「投機家は飢えており、手数料には無頓着。資本主義における強力な組み合わせだ」と皮肉を交えて語った。
同氏によれば、これらのETFはスワップ取引を通じて2倍のレバレッジを確保し、さらにオプション取引を使って追加の1倍分を上乗せする仕組みになっているという。
政府閉鎖でETF承認は宙に浮く
仮想通貨業界では10月、米SECが16本の仮想通貨ETFについて最終決定を下す予定だった。
9月には新しい上場基準も発表され、ETFごとに個別審査を行う必要がなくなることで、承認プロセスの迅速化が期待されていた。
しかし、10月1日に始まった政府閉鎖によってすべてが宙に浮いた。期限が過ぎても何の動きもなく、SECも「最小限の人員で業務を継続する」とする声明を出しているが、実質的に承認作業は停止している状況だ。
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