現在は既に閉鎖されているBTC-eという仮想通貨取引所のロシア人共同創設者、アレクサンダー・ヴィニック氏が、「囚人交換」によって釈放される可能性が浮上している。

ウォールストリートジャーナルの5月24日の報道によれば、ヴィニック氏の弁護士は、、彼がロシアと米国の間での囚人交換の対象となることができるように、ヴィニック氏の事件に関する秘密保護命令を変更しようと試みている。これにより、現在ロシアで拘束されているウォールストリートジャーナルの記者、エヴァン・ゲルシコビッチ氏と「交換」される可能性があるというのだ。

「ヴィニック氏は…囚人交換に彼の名前を含めることを主張すべきである」と、カリフォルニア北部地区の公選弁護人であるデイビッド・リズク氏は述べた。

ヴィニック氏の交換取引の可能性に対する新たな努力は、米国政府がゲルシコビッチ氏の即時釈放を求め、最近彼の拘留期間が8月30日まで延長されたことを受けて起こった。

ゲルシコビッチ氏は、3月にロシア当局によりスパイ行為の疑いで逮捕され、これは冷戦以来初めて米国のジャーナリストがスパイ罪で拘留されたケースだ。

ヴィニック氏を囚人交換取引の対象にするというアイデアは、昨年9月に始まったという。彼の弁護士チームは、ロシアで拘留されている数多くの米国市民とヴィニック氏を交換することを当局に考慮するよう求め始めた。

2022年12月9日、米国はロシアの武器商人ヴィクトル・ブート氏(「死の商人」の異名を持つ)を釈放することに同意した。これは、大麻オイルをロシアに密輸しようとしたとしてロシアの刑務所に収監されていた米国人女性バスケット選手ブリトニー・グライナー氏との交換のためだった。

ヴィニック氏は、2017年にギリシャで拘束された。これは米国がマネーロンダリングの罪で同氏を国際手配していたためだ。その後ヴィニックk氏は2020年にフランスへ引き渡された。フランスでは、ヴィニック氏はマネーロンダリングの罪で有罪判決を受け、5年間の刑を宣告された。フランスの刑務所で2年を過ごした後、彼は2022年8月5日に米国へ引き渡された

BTC-eは2011年に設立された。この取引所は約40億ドル相当のビットコイン(BTC)をロンダリングし、さまざまな違法行為から利益を得たと言われている。またBTC-eは日本のマウントゴックス事件に関連が取り沙汰されている。

2017年7月には米国当局により、ランサムウェア攻撃の実行、個人情報の盗難、麻薬密売のほう助などの容疑で主要なメンバーが逮捕されている。

ヴィニック氏は、彼に対して提起された21の訴因に対して無罪を主張し、取引所の日常業務に対する決定権がほとんどなかったと主張している。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン