100倍レバレッジが有名な仮想通貨取引所ビットメックスは、10月1日にブログを更新し、米商品先物取引委員会(CFTC)を激しく批判した。CFTCは同日、ビットメックスが未登録のまま仮想通貨トレーディングを続けている他、アンチマネーロンダリングの規制に違反しているという声明を発表。アーサー・ヘイズCEOらを訴追していた。

アーサー・ヘイズ 「逃走中」

CFTCは、ビットメックスの運営者としてアーサー・ヘイズCEO3名と5つの企業を訴追した。CFTCは、「不法に入手した利益」全ての返金と罰金、永久的なトレーディング禁止、また将来的な違反防止策を求めている。もし有罪になれば、最大で5人の懲役と25万ドル(約2625万円)の罰金が課せられる可能性があるという。

CFTCによると、ビットメックスはレバレッジ取引を不法に個人投資家に提供して2014年の設立時以降で1兆ドル(約105兆円)を手数料で獲得していた。「最も基本的なコンプライアンス」を守らずに、KYC(顧客確認)やアンチマネーロンダリング対策を怠っていたという。

同日の司法省の発表によると、先述の5人の1人であるビットメックスのCTO(最高技術責任者)がマサチューセッツ州で逮捕された。ヘイズ氏らは「逃走中」だという。

CFTCのヒース・タバート委員長は、「デジタル資産は我々の経済やデリバティブ市場にとって大きな未来となっている」とし、「この領域で米国が世界のリーダーになるためには、今回のような不法な活動を根絶することが大切だ」と述べた。また「法律を破ることによって、我々のルールに従って正しいことをやっている取引所の優位に立つような悪者たちを許すことができない」と厳しく非難した。

FBIのアシスタント・ディレクターであるウィリアム・F・スウィーニー氏によると、「被告人の1人は米国の管轄外でビットメックスが運営していることについて、現地の規制当局者への賄賂が『ココナッツ』だけで済むからとまで鼻高々に話した」という。

ビットメックスは反論

これに対してビットメックスは即座に反論。「スタートアップとしての初期から我々はいつも適切な米国の法律に常に従ってきた」とし、CFTCの主張は当たらないと述べた。ビットメックスは同時に引き続きトレードがいつも通りできることを伝えた。

「我々は米国政府が訴追という重い決断をしたことについて激しく反対する。そして、我々の立場を激しく守るつもりだ」

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン