ビットコイン(BTC)の価格は、30日も8000ドル以上で推移しが、仮想通貨相場全体では下げが目立った。米アナリストの中では、フェイスブック株など米国の株式市場のリスクオフムードが仮想通貨市場にも波及したという見方が出ている。
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ビットコインは過去24時間でほぼ1%減少して、8110ドル付近で推移している。過去1ヶ月では約28%上昇した。
Bitcoin weekly price chart. Source: Cointelegraph
先週末に仮想通貨起業家のウィンクルボス兄弟によるビットコインETF(上場投資信託)申請が米国証券取引委員会(SEC)によって拒否されたことからビットコイン価格は勢いを失っていたが、過去24時間では比較的安定した値動きだった。テック系ベンチャー投資会社のファットフィッシュのCEOが29日に、ビットコインETFは数ヶ月以内に承認されるとの見方を示したことも支えになったかもしれない。
ただ、株式市場も含めてマーケット全体がリスクオフムードだったという見方もある。米仮想通貨投資プラットフォームeToroのシニアアナリストであるマティ・グリーンスパン氏は、ロイター通信に対して次のように話した。
「今日は市場全体がリスクオフムードだった。FAANG(フェイスブック、アマゾン、アップル、ネットフリックス、グーグル)の株価下落が、仮想通貨市場に波及していったようだ」
イーサリアム(ETG)は、24時間で約2%の下落で執筆時点では約454ドルで推移している。月間では2%以上のプラスとなっている。
Ethereum weekly price chart. Source: Cointelegraph
イーサリアムの共同創業者であるヴィタリック・ブテリン氏は、今週、ビットコインETFに注目が集まりすぎていて実際の仮想通貨の利用ケースの話が進んでいないと主張。少額での売買などに仮想通貨を使う消費者の話の方が「断然に良い」と疑問を呈している。
テザー(USDT)を抜かしてほぼ全ての仮想通貨がマイナスだった。ステラ(XLM)は24時間でほぼ6%の下落で現在は0.29ドル付近を推移する一方、EOSは5%の下落で現在は約7.85ドルで取引している。
全体の時価総額は、約2910億ドルで先週の高値である約3040億ドルから減少している。
Total market capitalization chart. Source: Coinmarketcap