世界最大の仮想通貨(暗号資産)取引所の1つであるバイナンス(Binance)は、ウクライナの法執行機関による大規模なマネーロンダリングスキームの摘発に協力した。
ウクライナの警察当局はバイナンスと協力し、4200万ドルのマネーロンダリングとランサムウェアに関与していた犯罪グループを特定して逮捕した。バイナンスが18日に明らかにした。
バイナンスの発表によれば、この犯罪グループは2018年以降、仮想通貨を使ったマネーロンダリングを行っていたという。バイナンスがコインテレグラフに語ったところによれば、容疑者はすべてウクライナ人であり、2020年6月に当局によって逮捕されたという。
バイナンスによれば、この犯罪グループはウクライナで主に活動していたが、世界規模でいくつかのサイバー攻撃にも関与していた。ただバイナンス側は、グループの規模などの具体的な詳細については情報を明らかにしなかった。
バイナンスは2020年はじめからウクライナの法執行機関と協力を開始しており、それが今回の犯罪グループ摘発につながった。
バイナンスはリスクの高いエンティティとの間のトランザクションを追跡することを目的とした「バレットプルーフ・エクスチェンジ」プロジェクトを進めており、今回の調査協力もこの一環だ。
このような調査は、バイナンス内部のリスクインテリジェンス部門と、セキュリティデータサイエンス部門とによって行われた。
バイナンスによれば、ウクライナ以外にも、バイナンスは世界中の多くの地域の法執行機関からの要求を処理しているという。バイナンスは19年9月にイギリスでも同様の調査に協力している。バイナンスはイギリスの捜査機関の要求に応じて、5100万ドルの被害をもたらしたオンライン詐欺事件の調査を支援している。
バイナンスは昨年11月、ウクライナ政府との間で仮想通貨規制などの分野で協力するための覚書を締結している。これはウクライナのデジタル転換省との間でブロックチェーン実装の戦略と「ウクライナの新しい仮想通貨規制と仮想通貨市場」創設のためのワーキンググループを設立。これによりウクライナの仮想通貨法案の策定を支援することが目的とするものだ。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン