仮想通貨デリバティブ(金融派生商品)市場の勢いが止まらない。

バックトとシカゴマーカンタイル取引所(CME)がビットコイン先物で同時に過去最高記録を更新した。米国では、長年言われ続けてきた機関投資家による仮想通貨市場への参入が本格的に始まっているようだ。

仮想通貨に関する統計を手がけるスキュー(Skew)によると、バックトのビットコイン先物(現物受け渡しと現金決済の両方)の取引高が2月11日に3700万ドル(約40億円)に到達。過去最高を記録した。

現物受け渡しは、投資家が先物の指定受渡日に現物であるビットコインを受け取る。一方、現金決済は現金で受け取ることを指す。

また、ライバルのCMEではビットコイン先物の建玉が3億1400万ドル(約342億円)まで増加。こちらも過去最高を塗り替えた。

建玉は、「ロング」や「ショート」などトレーダーがプラットフォーム上で持っているポジションの総数を表す。建玉が多いほど、投資家の長期的な関心が高いことを示すと考えられている。

ビットコイン先物と今後の展開

先日、CMEのビットコイン取引高が1000億ドル(約10兆9000億円)を突破した。CMEがビットコイン先物を立ち上げたのは、仮想通貨がブームになっていた2017年12月。史上初めてシカゴオプション取引所(CBOE)がビットコイン先物を始めた1週間後にCMEが続いた形だ。その後、CBOEは昨年3月にビットコイン先物を終了。CMEはCBOEを取引高で大きく引き離していた。

一方バックトは昨年9月に史上初めて現物受け渡しのビットコイン先物を立ち上げた。最近では消費者関連アプリの開発を進めており、ビットコインといった仮想通貨だけではなく、ロイヤルティポイントやデジタル証券、ゲーム内の報酬を対象にするとみられている。

バックトのアプリは今年中に立ち上がる見込みだ。

バックトはアプリ公開準備に向け、ソフトウェアサービスのブリッジ2・ソリューションズを買収する計画を公表している

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