コインリスト社は5日、資金調達の初期ラウンドにおいて920万ドルを調達したと発表した。同社は規制の順守に重点を置く、トークンベースの金融サービス向けプラットフォームを提供する。
同社は、スタートアップ企業と投資家や求職者とを結びつけるウェブサイト、エンジェルリストから「スピンオフ」した会社だ。コインリストはインキュベーション期間、エンジェルリストで育まれた。
プレスリリースによれば、コインリストの調達した920万ドルには、これまでにベンチャーキャピタルのアコンプリスや研究開発会社プロトコルラボから調達した資金、さらにポリチェーンキャピタル、デジタルカレンシーグループ、FBGキャピタル、リベルタスキャピタル、ブロックチェーンキャピタル、コインファンド、エレクトリックキャピタルなどの仮想通貨ファンドから調達した資金が含まれる。
コインリストのウェブサイトによれば、同社のプラットフォームを使ったプロジェクトを通して調達された資金は、過去12ヶ月間で約4億3500万ドルに上るという。中でも、2億500万ドル以上を集めたファイルコインのイニシャルコインオファリング(ICO)が、その調達額の大きさで際立っている。
コインリストは、コンプライアンスサービス「ComplyAPI」を提供しており、「コンプライアンスは任せて、貴社はトークンセールに集中できます」と、自らのサービスを宣伝している。このサービスは、見込み投資家の反マネーロンダリグ(AML)及び個人確認(KYC)チェックを行うと共に、「米証券法に従って」適格投資家(純資産100万ドル以上、又は年収20万ドル以上)だけが企業のトークンセールに参加できるようにする。
コインリストのアンディ・ブロムベルグ共同創業者兼CEOはプレスリリースの中で、コインリストの資金調達の成功は「有望なブロックチェーン企業の間で、トークンセールの優れたコンプライアンスと実施に対するニーズが、高まっていることを反映したもの」と述べている。
「ICOを通して資金調達する企業はこれまで以上に、複雑な実施方法と規制についてよく知るプラットフォームパートナーを必要としている。コインリストは、すでに自身の差別化に成功したスタートアップ企業に対し、より高い完全性をもたらすと共に、ブロックチェーン技術への貢献を望む適格投資家が安心して資金を提供できるようにする。」
米国でICOを立ち上げるには、米証券取引委員会(SEC)の適格投資家適用除外に登録するか、証券の売出しとしてICOを登録する必要がある。
ICOについて、SECが「無登録証券」の販売と言及していることから、米国全土で閉め出されている。最近ではマサチューセッツ州で、ICOに対し営業停止の命令が下った。一部においては、最近SECが着手した仮想通貨関連業者への調査も影響している。
プラエトリアングループは3月初旬、自社のICOを証券の売出しとして、SECに登録申請した。同社の申請が許可されれば、SECの統制のもとでICOを実施する、初めての会社となる。