米国の貿易関税をめぐる懸念が相場を押し下げる中、金曜日のウォール街オープンと同時に、ビットコイン(BTC)は11万6000ドル付近から反落した。
米雇用統計の不調が利下げ期待を後押し
トレーディングビューのデータによれば、BTC/USDは米国市場の取引開始とともに売りが加速し、直近の安値水準を再び試す展開となった。
新たな米国の貿易関税発表による不安感から、ビットコインは一時11万4116ドルまで下落した。
だが、米雇用統計の発表が市場心理をやや持ち直させた。7月の非農業部門雇用者数は7万3000人と予想の10万人を大きく下回り、労働市場の減速を示唆する内容だった。
これにより、米連邦準備制度理事会(FRB)が早期に利下げに動く可能性が高まった。わずか数日前にパウエルFRB議長がタカ派的な政策姿勢を示していた。
CMEグループのFedWatchツールによる最新データでは、9月のFOMCで利下げが実施されるとの市場予想が再び優勢になっている。
トレーディング情報アカウントのコベイシレターはXへの投稿で、今回の雇用統計に含まれた過去月分の大幅な下方修正にも言及。
「今日のデータには2つのシナリオがある。1つは米労働市場が景気後退に突入している。もう1つはデータそのものに重大な問題がある」と述べた。5月と6月の雇用者数は大幅に下方修正されており、「失業率は上昇しており、過去2か月間で25万8000人分の雇用が統計上から“消えた”ように見える」とも指摘した。
トランプ米大統領も今回の雇用統計に反応し、パウエル議長に対する利下げ圧力がさらに強まっている。
ビットコイン価格分析
ビットコインの値動きに目を向けると、市場参加者は引き続き取引所のオーダーブックにおける流動性状況に注目している。
取引所には、12万ドル付近に大量のショートポジションの清算注文が存在して
仮想通貨投資家で起業家のテッド・ピローズ氏は、分析プラットフォームのコイングラスのデータとともに「ビットコインがこの水準を“取りに行く”のは時間の問題」とXで投稿した。
また、分析アカウント「TheKingfisher」によってX上に投稿された別のデータでは、ビットフィネックスのトレーダーが11万5000ドルを下回る水準で買いを入れている様子が示された。
一方、トレーダーのCrypNuevo氏は、今回のビットコインの値動きが年初の動きと似ていると指摘している。
本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。
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