2月6日の仮想通貨相場はアルトコインの躍進が目立った。仮想通貨時価総額トップ20のうち、執筆時点でビットコインキャッシュ(BCH)、ビットコインSV(BSV)、イーサリアムクラシック(BCH)が2桁%の上昇。イーサ(ETH)も10%近い上昇をみせた。

一方、ビットコインは9700ドルを突破して昨年10月末以来の高値をつけたが、現在は9600ドル台で推移している。

(出典:Coin360 日本時間2月6日午後18時45分時点)

また時価総額28位のネム(NEM)は24時間比で23%超の上昇。6カ月ぶりの高値を回復した。

ネムはブロックチェーン「カタパルト」を「SYMBOL」ブランドに変更するなど、年明け以降に次々と新しい動きをみせており、投資家の期待感が高まった可能性がある

ビットコインのドミナンスが低下

ビットコインの仮想通貨市場全体の時価総額に占める割合(ドミナンス)が低下している。執筆時点でビットコインのドミナンスは、64.28%で年初来で4%ポイントのマイナスとなり、2019年7月以来の低水準をつけた。

(出典:Coinmarketcap 「ビットコインのドミナンス(オレンジ)」)

ビットコインは1月に26%ほど上昇したものの、アルトコインの上昇幅の方が大きいことを浮き彫りにした。

2020年のビットコイン対アルトコインの行く末をめぐり、早くも関係者は火花を散らしている。

リップル社のブラッド・ガーリングハウスCEOは6日、ビットコイン強気派でギャラクシーデジタル創業者マイク・ノボグラッツ氏の「XRPは2020年も低迷する」予想に反論。「この男はビットコインが2019年に2万ドルを回復するといった男と同じだ」と批判した。

ゴールドマンサックスの元パートナーとしても知られるノボグラッツ氏は、リップル社による仮想通貨XRPの売り圧力に言及し、「もし私が株を買う場合、誰かが100億ドル分の株をいつか売ると知っているとすれば、私はその株を買うことに魅力を感じにくくなるだろう」と苦言を呈していた。

イーサもゴールデンクロス形成

既報の通り、6日にビットコインはゴールデンクロスを形成。ゴールデンクロスは50日移動平均線が200日移動平均線を上回る現象を指し、しばしば強気相場のサインとしてみられる。

一方、仮想通貨イーサ(ETH)もゴールデンクロスを形成。心理的な節目となる200ドルも4カ月ぶりに回復した。

背景にあるのはイーサを利用した分散型金融(DeFi)の増加かもしれない。

DeFiパルスによると、DeFi用にロックアップされたイーサの額は6日時点で314万3000ETH(650億円)と1カ月前より3%増加した

(出典:DeFi Pulse「DeFi用にロックアップされたイーサの額」)

DeFiは、イーサリアム上に構築されるデジタル資産や金融系のスマートコントラクト、分散型アプリ(DApps)を指す。イーサのロックアップは、融資や金利の獲得、ステーブルコインの発行など様々な用途に使われる。

DeFi用にロックアップされたイーサの額については、「DeFiにETHが必要になることを意味しており、ETHステークのためにETHが必要になれば、購入できるETHの数は減少する。このため、イーサ/米ドルには上昇圧力となる」という見方もある。

仮想通貨XRPは一服

一方、昨日の主役だった仮想通貨XRPは1%未満の上昇にとどまっている。

100倍レバレッジで人気の仮想通貨取引所ビットメックスによるXRPと米ドルの永久スワップ導入やリップル社と米送金サービス大手をインターナショナル・マネー・エクスプレス(International Money Express、Intermex)の提携などから、XRPは5日に3カ月ぶりの高値を回復した。

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