仮想通貨資産運用会社ビットワイズの欧州調査部門責任者アンドレ・ドラゴシュ氏によれば、米国で仮想通貨が退職年金制度に組み入れられたことが、ビットコインに数千億ドル規模の新たな資金流入を引き起こし、2025年末までにビットコイン価格が20万ドルに引き上げる可能性がある。
401(k)での仮想通貨導入を可能に
2025年8月7日、トランプ米大統領は、米国の退職年金制度401(k)において仮想通貨へのアクセスを認める大統領令に署名した。これにより、米国民は自身の退職金の一部をビットコインなどのデジタル資産に投資できるようになる。
ドラゴシュ氏は、コインテレグラフとのインタビューで「401(k)での仮想通貨導入は、2024年1月のビットコインETF承認以上に価格へのインパクトが大きい可能性がある」と述べた。
さらに、「401(k)制度全体の資産規模は12兆2000億ドルに達しており、そのうち1%が仮想通貨に割り当てられるだけでも、1220億ドル相当の新たな資金流入となる」と予測している。
「現時点での公式な価格予測は、年末までにビットコインが20万ドルに達することだ」と語った。
利下げと年金、2つの強力な追い風
仮想通貨の組み入れにより、401(k)の運用者はビットコインETFへの投資が可能となる。これにより、価格は新たな史上最高値に達する可能性があり、ビットワイズが掲げる20万ドルという強気の目標を後押しする材料となっている。
同社のフィナンシャルアドバイザー向け調査によると、多くの運用者が2.5~3%程度のビットコイン組み入れを推奨しており、1%という控えめな前提よりもさらに多くの資金流入が期待できるという。
初期の資金流入は早ければ今秋にも始まる可能性があり、ちょうど米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ開始と重なるとドラゴシュ氏は指摘する。「追加の利下げがあれば、ビットコインが年内に20万ドルに到達するシナリオは現実味を帯びてくる」と述べた。
CMEグループのFedWatchツールによれば、9月17日のFOMC会合で連邦準備制度が25ベーシスポイントの利下げを実施する確率は83%と見られており、これがビットコイン価格の上昇要因となる見通しだ。
さらに、401(k)運用会社の経済的な動機もビットコイン導入を後押ししている。ブラックロック、フィデリティ、バンガードは米国最大の退職年金プラン運用企業であり、うちブラックロックとフィデリティは既にビットコインETFを運用している。
ブラックロックのiシェアーズ・ビットコイン・トラストは、運用資産残高が840億ドル超で市場シェアの57.5%を占める最大規模のビットコインETFであり、フィデリティのETFも224億ドルを運用し、15.3%のシェアを占めている。
米証券取引委員会(SEC)のポール・アトキンス委員長は、トランプ政権と協力し、個人投資家が退職年金を通じてプライベート・エクイティや仮想通貨にアクセスできる仕組みの整備を進めていると述べた。ただし、代替資産への投資には「適切なガードレール」が必要だとし、規制の重要性も強調した。
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