米国のドナルド・トランプ大統領は、米国版確定拠出型年金「401(k)」に仮想通貨を組み入れる可能性を持つ大統領令に署名する予定だ。これにより、米国人の貯蓄運用のあり方が大きく変わる可能性がある。
ホワイトハウスは18日、今回の大統領令が米労働省に対し、デジタル資産、プライベートエクイティ、不動産などを含むオルタナティブ資産に関する確定拠出年金での制限を再評価するよう指示する内容であることをコインテレグラフに確認した。
ホワイトハウスの高官によると、この命令は労働長官に対し、オルタナティブ資産に関する省の見解を明確化し、これらの投資を退職ポートフォリオに組み込む際の受託者プロセスについて指針を示すよう求めるものだという。
401(k)市場12兆5,000億ドルで仮想通貨投資を解禁
命令が実行されれば、米国人は12兆5,000億ドル規模の退職市場の一部である401(k)を通じてデジタル資産にアクセスできるようになり、リテール投資家層への拡大を狙う仮想通貨企業にとっても重要な機会となる。
この動きは、仮想通貨業界にとって小売市場での普及と金融システムにおける正当性の獲得に向けた大きな一歩となる。
機関投資家が仮想通貨の保有比率を高めてきた一方で、一般の個人投資家は受託者責任リスクや規制の不透明さ、価格変動の懸念から参入を制限されてきた。
ホワイトハウス高官によれば、今回のトランプ氏の指示は財務省や証券取引委員会(SEC)との省庁間協議も求めており、仮想通貨のようなオルタナティブ投資を退職関連商品に導入しやすくするための規則改正を検討するという。
退職制度改革を模索するトランプ氏
7月18日付の英フィナンシャル・タイムズは、匿名情報源の話として、大統領が仮想通貨資産などのオルタナティブ投資を401(k)に導入する構想を検討していると報じた。
以前コインテレグラフの取材に応じたホワイトハウス報道官のクシュ・デサイ氏は、「トランプ氏から直接発表されたものでない限り、何も公式とはみなされるべきではない」と述べていた。
米証券取引委員会(SEC)のポール・アトキンス委員長はブルームバーグのインタビューで、仮想通貨投資に伴うリスクについての教育が不可欠だと語った。
アトキンス氏は、情報開示が鍵であり、人々が何に投資しようとしているのかを理解することが重要だとし、大統領の今後の動きを楽しみにしていると述べた。
今年初め、労働省は401(k)における仮想通貨投資に関する以前のガイダンスを撤回している。5月28日、同省は2022年のガイダンスを取り消した。このガイダンスでは、401(k)で仮想通貨を検討する際、受託者に「極めて慎重」な判断を促していた。
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