中国の知的財産権(IP)関連メディア「IPRデイリー」が4月24日、グローバル特許情報データベースサービスincoPat(インコパット)とともに、「2019年グローバル・銀行特許ランキング(TOP100)」を発表した。2019年1月1日から12月31日に世界で公開された銀行の特許件数を集計したもので、テンセントが設立したウィーバンク(微众银行)が1位(632件)を獲得した。632件のうち282件がブロックチェーン関連のようだ。
同日発表されたウィーバンクのプレスリリースによると、2018年の5位から大幅にランクアップしたという。特許の内訳は、80%がAI、ブロックチェーン、クラウド・コンピューティング、ビッグデータに関連しているそうだ。
なおIPRデイリーは、別途ブロックチェーン関連特許のみに絞り集計した「2019年グローバル・ブロックチェーン発明特許ランキング(TOP100)」も発表している。順位は、1位がアリババ(1505件)、2位テンセント(724件)、3位保険・銀行系の中国平安保険(561件)、4位クレイグ・ライト氏の英nChain(402件)、5位ウィーバンク(282件)だ。
ブロックチェーン関連特許の内訳
ウィーバンクによると、ブロックチェーン関連特許の内訳は、オープンソースソフトウェア(OSS)基盤のインフラ関連(48%)、ミドルウェア(40%)、アルゴリズム・プライバシー保護・クロスチェーン技術を含むその他ソリューション(12%)という。
また同行は、銀行による特許出願件数の増加は、銀行業界のフィンテック能力の強化を示していると指摘した。ウィーバンク自体は、これら技術に守られた要塞を構築するのではなく、OSS基盤のフィンテック技術に根ざした共同エコシステムにより、開発者に力を与えることを目指していると説明した。
OSS基盤のフィンテック戦略
2019年にウィーバンクは、世界中の開発者とのコラボレーションを目指し、OSS基盤のフィンテック戦略を発表。同年9月にはOSS技術コンソーシアム「リナックス財団」に加盟した。
同行の戦略には、フェデレーション・ラーニング(協調機械学習)技術のFATE、金融コンソーシアム「FISCO」と共同構築したコンソーシアムチェーン・プラットフォーム「FISCO BCOS」、ビッグデータ・プラットフォーム「WeDataSphere」などが含まれているという。フェデレーション・ラーニングは、スマホなどの端末上で行った機械学習結果のうち、改善情報のみをクラウドに暗号化の上送り出し、個人情報を外部に漏らさないというものだ。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン