カザフスタンのカシムジョマルト・トカエフ大統領は、19日、カザフスタンの都市アルマトイで開催された金融部門の代表者との会合で、同国の暗号通貨業界の現状についての見解を述べた。このスピーチの詳しい内容は、カザフスタン共和国大統領の公式ウェブサイトに掲載された

「仮想通貨には、単純に無視できない客観的な要因があり、現在の金融システムに与える影響の可能性について明確に評価する必要がある」

President Tokayev speaking at a conference | Source: Akorda.kz

トカエフ大統領はさらに次のように付け加えた。

「したがって、国内に仮想通貨取引所を創設するためにバランスの取れた規制環境の形成に関する作業を再開する必要がある。さもなければ、我が国は仮想通貨(ビットコイン)のマイニングシェアは世界第2位だが、金銭的な見返りは実質的になし、ということになってしまう」

ケンブリッジ大学のデータによると、ビットコイン(BTC)ネットワークの総ハッシュレートに占めるカザフスタンのシェアは18.10%で、米国(35.40%)に次いで世界第2位であり、3位はロシアの(11.23%)となっている。しかし、カザフスタン国内には、訴訟を抱えながらビットコインのマイニングを継続している個人のマイナーが多数存在しており、ある推計によれば、法的にグレーゾーンのマイナーがカザフスタンの全ての仮想通貨マイニング活動に占める割合は、50%にもなるという。

トカエフ大統領は声明の中で、仮想通貨に対する規制の欠如は、近年仮想通貨業界が急成長する一方で、我が国が獲得する税収はほとんどないという結果を良くも悪くももたらしていると述べている。 それにもかかわらず、トカエフ大統領は「金融システムの長」としてデジタルテンゲの導入の可能性について議論し、カザフスタンにおけるフィンテックの発展に対する彼の支持を以前にも増して繰り返し強調し、次のように述べている。

「わが国の金融機関は、好機を捉えて野心的な目標に取り組んでゆかなければならない。他国の経験に倣うだけでなく、カザフスタンから国外に向けて発信する新しい形態のサービスの開発と促進を進める必要がある。我々はこれらのイニシアチブを推進するために国を挙げて最大限取り組んでゆくつもりである」。