Netflixの人気ドラマ『イカゲーム』に触発されたトークン「Squid Game(SQUID)」が今週初めに登場し、数日間で4万5000%の上昇をみせた。しかし、複数の投資家はこのトークンを売却することができないと報告しており、詐欺ではないかとの疑いも出ている。

「ユーザーがPancakeSwapでこのトークンを売却できないという複数の報告を受けています。トレーディングする際には十分に注意してください」と、仮想通貨情報サイトのコインマーケットキャップは、SQUIDトークンのページで警告している

コインマーケットキャップによると、PancakeSwapはSQUIDトークンを取引できる唯一の市場だ。SQUIDトークンは0.012ドルから上昇し、記事執筆時点で5.71ドルで取引されている。

SQUID price chart. Source: CoinMarketCap

SQUIDの急騰とトークンを売却できないという報告とが相まって、仮想通貨コミュニティの一部ではこのトークンが詐欺ではないかと指摘する声も出ている。

ツイッターユーザーのCryptoTryionは、このSQUIDトークンのウェブサイトで言及されている創設者がリンクトインに参加していない点やツイッターでのコメントをブロックしている点など、複数の怪しい点を指摘している。

そのイカゲームトークンのホワイトペーパーでは文法の誤りやスペルミス、検証不可能な主張といった問題点があるとの指摘もある。詐欺チェックサイトであるScamAdviserによると、SQUIDトークンのウェブサイトの信頼度スコアは100点満点中で45点となっている。

このSQUIDトークンは、Netflixのデスゲームに主人公たちが参加するドラマ『イカゲーム』から触発されたものだ。このトークンでも、プレイヤーがトークンを使って6つのオンラインゲームに参加することで賞金を獲得することができると主張している。

29日にコインマーケットキャップはSQUIDトークンに関してブログを投稿している。オンラインゲームに参加するためには一定のSQUIDトークンを保有することが条件とされているが、コインマーケットキャップは「トークンの上昇によって、ゲームをプレイすることは多くの人にとって手ごろなものではないだろう」と指摘している。

コインマーケットキャップのライバルであるコインゲッコーも、SQUIDについて慎重な見方をしている。「このトークンは私たちの基準を満たしていないため、コインゲッコーにはリストされていない。最も可能性が高いのは詐欺だろう」と、コインゲッコーの共同創設者のボビー・オン氏はコインテレグラフに語っている。

SQUIDトークンのサイトでは、コインゲッコーなどがパートナーとして記載されているが、オン氏はパートナーでないことを強調。「これは真実ではない。私たちはパートナーでもなく、Squid Gameとは提携していない」と否定した。
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SQUIDトークンのホワイトペーパーでは、投資家がビットコインなどの主要な仮想通貨と同じようにトークンを売却することを防ぐ「アンチダンプ・メカニズム」を実装していると主張する。これは、ユーザーが一定量のSQUIDトークンを売却するためには、「マーブルズ」トークンを保有している必要があるというものだ。

「マーブルズを持っていれば、PancakeSwapでいつでも一定量のSQUIDを売却できる。いくつかのSQUIDを売却した後、あなたのウォレットの中のマーブルズは自動的にバーンされる」

このホワイトペーパーでは「暴力を使わずにマーブルズを入手することがSquid Gameの鍵である」ということ以外、マーブルズに関する情報が提供されていない。

「SQUIDの流動性はDxSaleで3年間ロックされ、SQUIDの流動性プールの不透明な変更を防ぐ。ロック解除日は2024年10月20日だ」ともホワイトペーパーに記載されている。

コインテレグラフは、Squid Gameのウェブサイトに記載されている連絡先にコンタクトしたが、返信は得られていない。