ビットコイン(BTC)の短期保有者(STH)は、345日のうち229日が含み益となっている。年初来(YTD)リターンがマイナスで、BTC価格が10万ドルの上抜けに苦戦している状況とは矛盾するように見える。
しかし、この表面的な弱いパフォーマンスとは裏腹に、オンチェーンのポジション構造はまったく異なる様相を示している。
ビットコインは実現価格付近で推移
2025年のボラティリティは、1〜3か月の短期保有者コホートを通して説明できる。チャートが示すように、ビットコイン価格は繰り返し実現価格と連動し、NUPL(未実現損益)の緑(利益)と赤(損失)の波を交互に生み出した。

2025年初頭、BTCは2ヶ月にわたってこのコスト水準を上回って推移し、短期保有者に最初の持続的な利益期間をもたらした。しかし2月から3月にかけて価格は短期保有者の実現価格を下回り、短期保有者のNUPLは深い赤に転落し、今年最長級の損失期間を記録した。
しかし、4月末から10月中旬にかけてモメンタムは急転し、チャートの広い緑の帯が示すように、ビットコインは172日間にわたって短期保有者に利益をもたらした。市場全体のトレンドが弱含んでいたにもかかわらず、この反発局面が短期保有者の収益性を市場の印象以上に押し上げる結果となった。
再び実現価格を下回ったのは10月末であり、そこからは現在に続く45日間の損失期間に入り、NUPLの赤い領域が拡大している。

要するに、2025年の短期保有者の収益性は、ビットコインの方向性よりも「BTCがコスト水準を何度回復したか」によって決まった。年初来がマイナスであっても、これらの反発が短期保有者全体として1年間の3分の2を利益期間にした形となる。
コスト水準の変化が次のフェーズを左右
ビットコインが存在感を取り戻し9万2500ドル付近へ反発したことで、短期保有者の未実現損は-28%から-12%へ圧縮された。短期保有者の実現価格は依然として8万1000ドルに位置しており、このラインを防衛するたびに「投げ売りから安定局面への転換」が訪れてきた。

新規資金や投資期間が数日〜数週間以内の投資家は損益分岐点付近に位置しており、この安定構造を補強している。BTCがこの8万1000ドルの水準を維持しつつ、短期保有者の収益性をさらに改善させるようなら、年末の調整局面はすでに終盤に差し掛かっている可能性があり、次の拡大フェーズへの準備が整いつつあると考えられる。
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