米国政府は6年ぶりに閉鎖に突入した。政治的な行き詰まりは、投資家が安全資産を求めたことでビットコインと金の上昇と重なった。

今回の閉鎖は2018年12月の35日間の閉鎖以来となり、2026会計年度の予算案を通過できない深刻な党派対立が背景にある。

対立の中心は「継続決議(CR)」と呼ばれるつなぎ予算措置だ。共和党は追加の政策変更を盛り込まずにCRを進めたが、民主党のチャック・シューマー上院議員らはオバマケア税額控除の恒久延長を要求し、数百万人が医療保険を失うことを防ぐ必要があると主張した。

Source: Congressional Research Service, ninjobi

コインテレグラフのデータによると、ビットコイン(BTC)は過去24時間で2.9%上昇し、記事執筆時点で11万6,427ドルで取引されている。金価格も0.7%上昇し、政府閉鎖の長期化に対する不確実性から、安全資産への需要が高まっている可能性を示している。

BTC/USD, one-month chart. Source: Cointelegraph

米政府閉鎖、アルトコイン市場の底打ちシグナルにも

仮想通貨取引所ビットゲットのチーフアナリスト、ライアン・リー氏によると、ビットコインとS&P500は政府閉鎖の影響で低金利環境となり、恩恵を受ける可能性があるという。

「ビットコインは政府や政治的不確実性に左右されないため、伝統的投資家にとって魅力的な存在となる。調整は起こり得るが、市場で有望なアルトコインの多くはすでに底を打っている」とリー氏は語った。

リー氏はさらに、ビットコインが11万6,000ドルの水準を回復したこと自体が仮想通貨市場全体にとってポジティブなシグナルであり、「歴史的に強い10月」に入ることで年末に向けた流れを形成する可能性があると指摘した。

一方、株式市場と仮想通貨市場の反応は過去の政府閉鎖で一様ではなかった。

マクロ投資情報サイト「Milk Road Macro」によると、2013年の閉鎖では株価が下落しビットコインが上昇したが、2019年の閉鎖では株式もビットコインも下落した。

「閉鎖は常に政府機能を混乱させるが、市場の反応は一律ではない」と同サイトは火曜日のX投稿で述べた。

Source: Milk Road Macro

トレーディング情報の「Kobeissi Letter」によると、過去の政府閉鎖後には米連邦準備制度理事会(FRB)が金利政策でハト派姿勢を強め、S&P500は平均で年間13%上昇している。

「歴史的に、市場はむしろ閉鎖を歓迎してきた」と同レターは水曜日のX投稿で述べた。

Odds of the government shutdown ending by Oct. 15. Source: Polymarket

予測市場プラットフォーム「Polymarket」では、10月15日までに閉鎖が終了する確率は38%とされている