英金融規制当局の金融行動監視機構(FCA)は、2つの仮想通貨(暗号資産)取引所に対してライセンスを付与した。デジタル証券取引所のArchaxと、ウィンクルボス兄弟の仮想通貨取引所ジェミナイの英法人の2つだ。

FCAのウェブサイトによると、Archaxとジェミナイ・ヨーロッパ・サービスは、それぞれ8月18日と19日の時点で、「暗号資産企業」として英国で登録を取得した。どちらの取引所も1月10日から義務付けられているマネーロンダリング防止(AML)とテロ資金供与対策(CTF)規制のリスク評価に関して、コンプライアンス要件を満たしたことになる。

Archaxは8月19日のブログ投稿で、FCAの決定により「FCAが規制するデジタル証券取引所・カストディアンとして英国で初だ」と発表している。

1ヶ月以上前の7月6日、大手取引所クラーケンがFCAによってライセンスを取得した最初の仮想通貨取引所になった。ただし、クラーケンの英法人の場合は、「特定のアクティビティと商品タイプ」に対して許可された企業としてリストされており、Archaxやジェミナイとは別のカテゴリーとなっている。

英国のフィナンシャル・ニュースによれば、クラーケンのティモ・シュレーファー氏は、クラーケンはFCAからマルチラテラル・トレーディング・ファシリティのライセンスを付与されたと説明している

英国の仮想通貨企業への規制

FCAが「暗号資産企業」に課している新しい規制は、欧州連合(EU)の第5次マネーロンダリング指令(5AMLD)と金融活動作業部会(FATF)の規制に準拠するためのものだ。

FCAは今年1月に英国のすべての仮想通貨ビジネスの規制機関として正式に任命された。英国でビジネスを行う企業は、AMLやCFTの潜在的脅威を排除するため、モニタリングシステムなどを確立させる必要がある。

FCAは2021年1月10日までに申請が処理されるように、すべての仮想通貨企業に今年6月30日までに登録申請をするよう要求していた。2021年1月の期限までにこれらの登録や要件を満たさなかった場合、英国でのビジネスを停止する必要に迫られることになる。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン