「サイバーパンク」という映画のジャンルは1980年代に登場したSFのサブジャンルで、ディストピア的未来都市を舞台にした映画だ。

これらの映画にはAIや仮想現実、サイボーグ化されたキャラクターや世界など、先進的なテクノロジーが登場する。

こういった映画の物語はしばしばテクノロジーと人間の交差に焦点を当て、人間と機械の境界が曖昧になり、政府、企業、個人間の力関係が絶えず変動する社会を描く。

サイバーパンク映画は独特の映像美や複雑なキャラクター、テクノロジーが人類に与える影響や急速に進歩する世界の問題を考察する機会をくれる。

今後制作される映画には、仮想通貨やブロックチェーン、またChatGPTを思わせるAIがどんどん登場していくだろう。

以下にコインテレグラフがおすすめするサイバーパンク映画を9本を紹介しよう。

ブレードランナー(1982年)

リドリー・スコット監督、ハリソン・フォード主演の1982年のSF映画。遺伝子操作された人間型ロボット「レプリカント」が危険な仕事や雑用のために地球や宇宙植民地で使われるディストピア的未来が舞台である。

ハリソン・フォード演じる「ブレードランナー」のデッカードが、逃亡中のレプリカントを追跡し「引退」させる任務をこなす。映画は人間性、アイデンティティ、人間と機械の交差をテーマにしている。

ディストピア的な未来のロサンゼルスを舞台に高度なテクノロジーが発達しながら崩壊する社会の様相が描かれる。映画は独特のビジュアルスタイルで知られ、カルト的人気を持ち、サイバーパンクジャンルの代表作とされる。

マトリックス(1999年)

ワチョウスキー姉妹監督、キアヌ・リーブス主演の1999年のSF映画。意識マシンによって作られたシミュレーション現実に閉じ込められた人間たちが、現実世界で機械に支配されていることに気付き、反乱を起こすストーリーが展開される。映画は先進的なビジュアルエフェクトや哲学的なテーマで知られ、多くのファンや批評家から絶賛された。米大学では哲学の講義に議題としてつかわれるほどだ。

物語は、ネオ(キアヌ・リーブス)というハッカーがマトリックスの真実を発見し、モーフィアス(ローレンス・フィッシュバーン)とトリニティ(キャリー・アン・モス)が率いる機械に対する反乱に加わるという内容だ。

本作は、仮想現実、人工知能、反逆と革命といったテーマを探求しており、「バレットタイム」と呼ばれる特殊効果やワイヤーを使用したアクションの演出でアクションジャンルに革新をもたらした。それ以降この作品は文化現象となり、大衆文化に多大な影響を与えている。

AKIRA(1988年)

大友克洋監督による1988年の日本のアニメ映画。2019年の東京(ネオ東京)を舞台に、バイクギャングの若者たちが政府の陰謀や謎の超能力者アキラと関わり合いながら成長していく物語である。アキラはサイバーパンクアニメーションの先駆けとされ、影響力のある作品である。

この映画は権力、テクノロジー、アイデンティティといったテーマを探求しており、テツオの力が暴走し、都市の破壊を引き起こす危険性が描かれている。『アキラ』のアニメーションと物語は革新的とされ、史上最高のアニメ映画の一つであり、サイバーパンクジャンルを代表する作品と広く認識されている。また、この映画は海外のアニメ、コミック、映画にも大きな影響を与えている。

GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊 (1995)

押井守監督による1995年の日本のアニメ映画。人間の脳を機械に移植したサイボーグの主人公、草薙素子(くさなぎ もとこ)がテロリストと戦う物語で、サイバースペースや人間と機械の境界に関する問題を扱っている。映画はその美しいビジュアルと緻密なストーリーで高く評価されている。

『攻殻機動隊』のアニメ描写と物語は、アニメの中でも最高のものと広く認識されており、サイバーパンクジャンルの古典的名作とされている。また、この映画も海外のアニメ、コミック、映画にも大きな影響を与えており、さまざまな形にリメイクされいてる。

ニューロマンサー(1984)

「ニューロマンサー」は1984年にウィリアム・ギブソン氏によって発表されたSF小説である。サイバーパンクジャンルの代表作で、SFとノワール小説の要素を組み合わせた作品とされる。物語は、世界が強大な企業に支配されたディストピア的未来を舞台に、かつてのハッカーであるケースが謎の人物ウィンターミュートに雇われ究極のハッキングを試みる様子を描いている。人工知能、仮想現実、人間と機械の境界が曖昧になるテーマを扱っている。

ターミネーター(1984)

「ターミネーター」は1984年に公開されたSF映画で、監督はジェームズ・キャメロン氏、脚本はキャメロン氏とゲイル・アン・ハード氏が担当した。アーノルド・シュワルツェネッガー氏がターミネーターと呼ばれるサイボーグ暗殺者を演じ、リンダ・ハミルトン氏演じる未来の抵抗勢力のリーダーの母親であるサラ・コナーを殺害するために過去に送り込まれる。未来から過去に送り込まれた兵士カイル・リース役はマイケル・ビーン氏が演じる。時間旅行や機械が自己意識を持ち人類に反乱する可能性を探求している。ターミネーターシリーズは古典的名作とされ、続編やスピンオフが生まれている。

ロボコップ (1987)

「ロボコップ」は1987年に公開されたSFアクション映画で、監督はポール・ヴァーホーベン氏、脚本はエドワード・ヌーマイヤー氏とマイケル・マイナー氏が担当した。近未来の犯罪が横行するデトロイトを舞台に、ピーター・ウェラー氏演じる警察官アレックス・マーフィが殺害された後、サイボーグ警察官ロボコップとして復活する様子を描いている。犯罪や腐敗、人間と機械の境界線が曖昧になるテーマが扱われている。ロボコップは公共の信頼を守り、無実の者を保護し、法を遵守するという3つの主要な指令でプログラムされている。映画は商業的にも評論家にも成功を収め、続編やテレビシリーズ、リブートが生まれたフランチャイズとなっている。

トロン (1982)

「トロン」は1982年に公開されたSF映画で、監督はスティーヴン・リスバーガー氏、脚本はリスバーガー氏とボニー・マクバード氏が担当した。ジェフ・ブリッジス氏がコンピュータープログラマーのケビン・フリンを演じ、コンピューター生成の仮想世界「ザ・グリッド」に閉じ込められる。彼は、脱出するために剣闘士のようなゲームに挑戦しなければならない。

映画はテクノロジーや人工知能、コンピューターシステム内に存在する仮想世界という概念を扱っている。トロンは興行的には失敗作だったが後にカルト的な人気を博し、コンピューター生成映像の開拓者として知られるようになった。

また、続編やディズニーXDのアニメーションシリーズ、リブートが生まれるフランチャイズにもなっている。

トータル・リコール (1990)

「トータル・リコール」は1990年に公開されたSF映画で、監督はポール・ヴァーホーベン氏、脚本はロナルド・シュセット氏、ダン・オバノン氏、ゲイリー・ゴールドマン氏が担当した。

アーノルド・シュワルツェネッガー氏が建設労働者のダグラス・クエイドを演じ、彼の過去の記憶が埋め込まれたものであることに気付き始める。映画はフィリップ・K・ディック氏の短編小説「お前のために消せる」を元にしており、現実の性質や記憶を操作することの影響を探求している。映画は地球が深刻な過密状態にあり、火星への植民地への旅行を求めている未来を舞台にしている。

批評家たちは映画の特殊効果、アクションシーン、俳優たちの演技を称賛し、興行収入は全世界で2億6100万ドルを超える大成功となった。

これらのサイバーパンク映画は科学技術が人間性に与える影響を探求することで観客に多くの影響を与えてきた。近年では仮想通貨やブロックチェーン技術が登場し、新たなサイバーパンク的な現実が生まれつつある。

これらの映画は今後も、そのテーマやストーリーで多くの人々を魅了し続けることだろう。