ポイント

・10.4万ドル到達、史上最高値まであと5000ドル

・米英通商協定・米中協議への期待でリスクオン

・アリゾナHB2749成立、州SBR進展で米株をアウトパフォーム

・米中通商協議・ウクライナ停戦が進展すれば史上最高値も視野に入るが容易ではない

昨日のBTC相場

昨日のBTC市場は大幅に続伸した。

朝方、従来の戻り高値を突破し、9.8万ドル(約1,420万円)台に乗せると、海外時間に10万ドル(約1,450万円)をクリア。今朝方、10.4万ドル(約1,510万円)に一時タッチした。

BTCは一目均衡表の雲や、史上最高値からの半値戻しである9.2万ドルを上抜け、2月中旬に3週間近くもみ合った9.8万ドル手前まで上昇した。しかし、アリゾナ州のホッブス知事が戦略的ビットコイン準備(SBR)法案のうち、年金基金での投資を認めるSB1025に拒否権を発動したことや、フロリダ州がSBR法案を採決しないまま議会を閉会したことが嫌気され、一時9.3万ドル台に値を下げた。

しかし、ニューハンプシャー州でSBR法案が成立したニュースが伝わると、BTCは9.5万ドル台に反発。さらに、ベッセント財務長官とグリアUSTR代表がスイスで中国高官と貿易交渉を開始したと報じられると、ダブルボトムを形成し、9.7万ドル台に急騰した。

加えて、上院を通過済みのテキサス州のSBR法案(SB21)が下院の委員会を通過し、アリゾナ州で未請求資産としての暗号資産準備金制度(HB2749)にホッブス知事が署名したと伝わると、BTCは9.8万ドル台を突破し、9.9万ドル台に値を伸ばした。

アジア時間では、2月21日の高値99,500ドルや節目の10万ドルに上値を抑えられたが、コインベースが暗号資産デリバティブ大手のデリビットを買収したニュースや、米英貿易協定の発表、トランプ大統領が対中関税の引き下げに言及したことで米株が上昇。BTCも10万ドルを突破した。

その後、低調な30年債入札、ステーブルコイン法案の上院否決、米株の失速もあり、BTCは上げ渋った。しかし、リップル裁判の正式和解が伝わると、XRPなどアルトコインが上昇し、BTCも一時10.4万ドルまで値を伸ばした。

本日のBTC相場

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著者 松田康生(まつだやすお)楽天ウォレットシニアアナリスト

東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。