ここに表示された見解および意見は、著者のものであり、必ずしもコインテレグラフの見解を反映するものではありません。すべての投資とトレーディングにはリスクが伴うため、意思決定の際に独自の調査を実施する必要があります。市場データは、HitBTCから提供されています。

10月15日、一部の市場参加者はステーブルコインのテザーを手放した。これはテザーが信用危機の噂に直面したためだ。トレーダーらによる売却でテザーは一時的に米ドルとのペッグを失った。ほかの仮想通貨は価格が上昇し、仮想通貨市場全体の時価総額が一時的に2200億ドルまで上昇した。

しかし、一時的な乱高下の後、ほとんどの仮想通貨の値動きはより低い水準で安定している状況だ。

時価総額上位の仮想通貨の大半はレンジ内で取引されている状況だ。いくつかの仮想通貨は底を脱した兆しがみられる。ここでは時価総額100億ドル以上の上位5つの仮想通貨について取り上げる。これらの通貨は、過去1週間で上昇の動きが顕著だったものだ。

XLM/USD

ステラは過去7日間で約15%上昇した。仮想通貨市場全体では動きが鈍い中で、ステラはいくつか上昇につながるイベントがあった。

多国籍金融企業のフィデリティが立ち上げた機関投資家向けの新しいプラットフォームは、デジタル資産のやり取りにXLMブロックチェーンを利用するという噂が流れた。

仮想通貨取引所のCoinsuperにXLMが上場したのも、投資家から好意的に受け止められたようだ。またカナダのグローバル・ブロックチェーン・テクノロジーズ社の子会社で仮想通貨取引所のHyperionと、ステラが提携したニュースも、前向きなニュースだった。

ステラはその勢いを維持することができるだろうか。それとも直上のレジスタンスに近づいているのだろうか。チャートを確認してみよう。

ステラ・アメリカドル(XML・USD)週足チャート

ステラ/米ドル(XLM/USD)のペアは今年の第一週に0.98239146ドルの高値を付け、それ以来下落傾向にある。現在、下降トライアングルの内部で取引が行われている。下降トライアングルは、サポートを下抜けて(UTCで)終値を付けると完成する。

しかし、下落局面について、弱気筋は今年に入って0.184ドルを下抜けた状態を維持できていない。ステラはこの重要なサポートから過去3回、反発の動きを見せている。弱気筋がこのサポートを下抜けさえることに失敗し続けていることは、ポジティブなサインだ。これは、価格がこの水準に近づけば、強さを取り戻すことを示している。

強気筋がより高い価格水準で買いを入れ、下降トライアングルの下降トレンドラインを上抜けさせることができれば、現在の弱気パターンは覆ることになるだろう。

したがって、トライアングルを上抜けて(UTCで)終値を付ければ、さらなる買いを引き付け、新しい上昇トレンドが始まることになるだろう。そうなれば、XLMは0.47ドルに上昇し、そこを上抜ければ0.63ドルへの上昇も見えてくる。

逆に、弱気筋が0.184ドルを下抜けれさせてしまえば、私たちの強気の見立ては否定されてしまうだろう。

XRP/USD

リップルも今週は2桁台の上昇を見せた仮想通貨の1つだ。リップルは今月に入って複数の前向きなニュースがあった。リップルのチームマーケットストラテジストのコリー・ジョンソン氏は、米国政府がXRPを推進するのに関心があるかもしれないとの考えを示した。ビットコインのマイニングにおける中国の支配的地位に対抗する意図があるというのが、その理由だ。

また10月17日には、ビル&メリンダ・ゲイツ財団がリップルラボとデジタル決済を手掛けるコイル社との提携を発表した。

リップルは先週、価格上昇につながるいくつかの前向きなニュースで勢いを得た形だ。では、この動きは今後も続くだろうか?

リップル・アメリカドル(XRP/USD)週足チャート

XRP/USDのペアは2018年全体で下落トレンドにある。いくつかのサポートを守ることに失敗しており、一定の間隔で安値を更新している。

現在、20週間EMAと50週間SMAの両方を下回る形で取引されているが、0.37185ドル付近でより高い水準での安値を形成しようとしている。前回の安値は0.25300ドルだった。もし強気筋が価格を0.76440ドル以上に押し上げることができれば、新たな上昇トレンドの始まりを示すことになるだろう。上昇時にターゲットとなるのは、0.96ドルと1.22ドルだ。

逆に、リップルが0.25ドルを割る展開になると、新たな安値が形成されるだろう。トレーダーは、ロングポジションを開始するまえに、買いが入るのを待つべきだろう。

NEO/USD

NEOはメインネットがローンチにして2周年を迎えた。過去7日間で価格は5%上昇し、市場も2周年を祝った形となった。

ネオ・アメリカドル(NEO/USD)週足チャート

ネオ/米ドル(NEO/USD)のペアは、年初来の安値である13.60337627ドル近辺で取引されおり、弱気のように見える。8月はじめ以来、目に見えた反発の動きはなく、買いを集めることができていない。現在のサポートを下抜ければ、非常にネガティブな動きとなるだろう。次のサポートである6.47815308ドルまで急落する懸念もある。

上昇するとなれば、20週間EMAがNEOにとって厳しいレジスタンスとなるだろう。20週間EMAは水平的なレジスタンスである28.49944165ドル近辺にある。この水準を上抜けることができれば、43ドルまで上昇するだろう。43ドルを超えれば、60ドルまで上昇するだろう。60ドル近辺では50週間SMAがレジスタンスとなる。このレジスタンスも上抜けば、100ドルへの上昇も見えてくる。

トレーダーは、新たなポジションを取る前に、適切な買い場が整うのを待つべきだろう。

ADA/USD

IOHKは、同社のイカロス・プロジェクトが第三者機関であるKudelski Securityによってセキュリティー監査を受けたと発表した。これは、カルダノのウォレットが安全であることを示すものだと言われている。

カルダノは過去7日間で約5%上昇しておおり、カルダノ内部の内輪揉めの懸念を打ち消したようだ。カルダノの価格上昇へ反転するのだろうか。チャートを見てみよう。

エイダコイン・アメリカドル(ADA/USD)週足チャート

現在の水準で、エイダコイン/米ドル(ADA/USD)のペアは、最高値から約94%下落している。約1ヶ月半の間、カルダノは$0.060105~0.094256ドルの狭いレンジ内で取引されている。このレンジを上抜けることが出来れば、買いを引き付け、20週間EMAに向けて価格が上昇し、その後0.2ドルまで上昇する可能性もある。

一方、レンジを下抜けることになれば、0.033677ドルまで下落する可能性が出てくる。従って、トレーダーは新しい買い場が整うまで待つべきだろう。

EOS/USD

ハッカーたちは、ギャンブル用の分散型アプリ(Dapp)であるEOSBetのウォレットから65,000EOSを盗み出した。これは過去2か月間で2回目の攻撃だ。トレーダーはこのニュースに型をすくめているが、過去7日間でEOSは3%上昇している。

イオス・アメリカドル(EOS/USD)週足チャート

イオス/米ドル(EOS/USD)のペアは、4.4930~6.8299ドルのレンジで2か月以上取引されている。ポジティブな材料は、強気筋が価格が3.8723ドルの重要なサポートまで下落することを防いでいる点だ。強気筋は4.4930ドルで、より高い底値を形成しようと試みている。

しかし強気筋は直上のレジスタンスを上抜けることができなかった。価格が上がると利益確定の動きがあるようだ。

20週間EMAと水平レジスタンスの両方とも、6.8299ドルの水準にある。ここを超えることができるかどうかが、上昇において重要となる。このレベルを超えることができれば、EOSは9.4456ドルまで上昇し、さらに15ドルまで上昇することができるだろう。

一方、弱気筋が3.8723ドルを下抜けさせた場合、EOSは2.4ドルまで落ち込み、さらに1.7ドルまで下落する可能性がある。トレーダーは買いを入れるまえに、直上のレジスタンスを上抜けるまで待つべきだろう。