タイの証券取引委員会(タイSEC)とタイフィンテック協会で技術コンサルタントを務めるブーミ・ビルランタ氏は、タイの規制当局に対して、仮想通貨課税の枠組みを再検討するように求めた。現地メディアのバンコクポストが17日に報じた。

 タイが3月末に発表した仮想通貨課税の枠組みは、仮想通貨取引には7%の付加価値税(VAT、日本での消費税)を課し、取引による収益には15%のキャピタルゲイン税を課すというものだ。

ビルランタ氏は、イニシャル・コイン・オファリングのトークン販売についての税法上の取り扱いについて懸念を表明した。ICO関連のトークンへの課税について、トークンの資産価値は一般的なデジタル資産と異なるため、区別した取り扱いが必要だと指摘する。

「財務省と歳入局は、デジタル資産への課税の実施を遅らせ、別の新たな法律の制定を検討して欲しい」

 

 バンコクポストの報道によれば、現地の仮想通貨ビジネスの関係者、特にICO発行者は、デジタル資産課税の導入に対して否定的だ。

 タイの仮想通貨取引所JIBEXのスコラットCEOは、現地のスタートアップ企業がタイの市場から資金調達するためにも、投資家への「金融と投資への教育」を推進するべきだと述べる。スコラット氏は、このままでは、タイが「ICO取引の分野で他国に遅れを取ってしまう」と述べた。

 タイ政府はこれまで仮想通貨規制、特にICOについての立場を鮮明にしていなかった。今年2月、タイの仮想通貨取引所のタイ・デジタルアセット・エクスチェンジ(TDAX)は、タイSECが規制枠組みを示すまで、ICOの登録を一時停止した

 またタイの中央銀行は2月、規制が明確になるまで、国内のすべての銀行に対して、顧客がクレジットカードやデビットカードを使って仮想通貨を購入することを禁止するよう求めた。タイのアピサック・タンティヴォラワン財務相は2月、タイ政府は仮想通貨取引を禁止することはなく、仮想通貨規制の枠組みを作ると述べた