スマホがブロックチェーンのノードになり、仮想通貨が自由にスマホ間を駆け巡るーーー。そんな日が近い将来やってくるかもしれない。

ブロックチェーンを使った電子機器を手掛けるシリンラボ社(SIRIN Labs)が11月29日、ブロックチェーンをベースとする同社初のスマートフォンを発売する。米国のIT雑誌「コンピューターワールド」が28日に伝えた

スイスに本拠を置くシリンラボは17年12月に仮想通貨を使った資金調達、所謂「イニシャル・コイン・オファリング(ICO)」を通して約180億円相当を調達。その後ブロックチェーン対応スマホ「フィニー(FINNEY)」のリリースを予告していた。

アンドロイドとシリン独自OSの両方で動作するフィニーは、コールドストレージの仮想通貨ウォレットと、暗号化された安全な通信を提供することが特徴だ。また、仮想通貨取引所など外部サイトへの訪問なしに、仮想通貨間で両替を行う機能も搭載しているという。

販売価格は999ドルとされている。

コインテレグラフは今年7月、アップル社のiPhoneの製造等も手掛ける台湾のフォックスコン社がフィニーの製造を担当する予定であることを伝えている

フィニーを開発するシリン社の狙いは仮想通貨やその根底にあるP2P技術を気軽に使えるようにすることだ。アンドロイドOSも採用することで広いユーザー層の取り込みに動く。

ちなみにブロックチェーン技術を活用したスマホは台湾のスマホメーカーであるHTCも今年5月に参入を宣言している。同社が開発を進める「HTCエクソダス」には、仮想通貨ウォレットと、分散型アプリ(DApp)ゲーム「クリプトキティーズ」が搭載されるという。

またウェブブラウザ「オペラ」も、仮想通貨ウォレットを搭載したアンドロイド向けサービスのβ版をリリース予定であることを発表している。