スイスのスマホ開発業者シリン・ラブズが、今年11月にブロックチェーン搭載のスマホを発売すると11日にコインテレグラフに話した。仮想通貨による支払いが普及し、消費のあり方が変わるのか今後注目される。

 

 このスマホは「フィニー(Finney)」と呼ばれ、1000ドル(約11万円)で販売される見通しだ。アンドロイドが基盤でシリンOSを使用。仮想通貨のコールド・ウォレットやトークン変換サービス(TCS)、分散型アプリ(DApps)のストアなどがついてくるという。フィニーの製造は、アップルやグーグル、アマゾンの製品の台湾大手メーカー鴻海科技集団(フォックスコン・テクノロジー・グループ)が行う。

 またセキュリティーに関して、シリン・ラブズの最高マーケティング責任者(CMO)のニムロッド・メイ氏は、フィニーは多層のサイバーセキュリティー対策をしていて、「例えば、ならず者たちのネットワーク」と繋がらないようにしていると話した。

 メイ氏によると、シリン・ラブズは、日本や米国、英国などに自社の小売店を世界中にオープンする予定。さらにブロックチェーンを搭載したPCの開発も手がけており、「スマホよりさらに安くなる見込み」だという。

 シリン・ラブズは去年12月、イニシャル・コイン・オファリング(ICO)をICOを通して24時間で約120億円を調達。2016年にはプライバシー重視のアンドロイド・スマートフォン、ソラリンを1万6000ドルで発売していた。今年3月には中国のテック企業、ファーウェイ(華為技術)がシリン・ラブズによって開発されたシリンOSのライセンスを求めていると報じられた。