米国の俳優スティーヴン・セガール氏が、2月27日、トークンを使う資金調達イニシャルコインオファリング(ICO)関連の報酬を開示しなかったこととして、米国証券取引委員会(SEC)によって告発された。

セガール氏は、2018年初頭にビットコイイン(Bitcoiin2Gen)のプロモーションに関わっていた。ビットコイイン支持者はステーキングのスキームを使ってビットコイインを保有するだけで利益が出ると主張。ICOが実施されるまでセガール氏は、SNSなどで「ICOを見逃すな」や「禅マスターのスティーブン・セガールがビットコイイン2Genのブランド大使になった」など、プロモーションを行っていた。

SECによると、セガール氏はプロモーションの報酬として現金25万ドル(約2750万円)と75万ドル(約8250万円)相当のビットコイインの報酬を約束されていたものの、開示しなかった。

SECは、ビットコイインを証券と判断している。

SECとセガール氏の合意事項

SECによると、セガール氏は不当利益の吐き出しとして15万7000ドル(約1700万円)、15万7000ドルの罰金を支払うことに合意したという。セガール氏が実際に受け取った報酬額プラス審理前利息1万6000ドル(約176万円)が課せられたという。

またセガール氏は、今後3年間、どんなタイプの証券のプロモーションもしないことで合意したという。

SECは、「投資家は、セガール氏のバイアスについて知るためにセガール氏が受け取った報酬や約束されていた報酬について知る必要がある」指摘。「芸能人は、適切に報酬の開示を行わずにSNSを使って証券の勧誘を行うべきではない」と述べた。

SECがICOで有名人を取り締まるのは今回が初めてではない。

2018年11月、SECは、プロボクサーのフロイド・メイウェザー・ジュニア氏と音楽プロデューサーのキャレド・キャレド氏をICOを不法に宣伝したとして起訴した。

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翻訳・編集 コインテレグラフジャパン