韓国の公的年金であり、世界最大級の年金基金である国民年金公団(NPS)は、2023年第3四半期に、世界的な仮想通貨取引所コインベースの株式を28万2673株購入した。
11月15日に米証券取引委員会(SEC)に提出された株式保有報告書によると、NPSは2023年第3四半期にコインベース(COIN)の株式を購入した。
TradingViewのデータによれば、11月15日時点でのコインベースの最終終値98.15ドルを基にした場合、この投資は約2770万ドル(約41億円)の価値がある。SECの提出書類によると、NPSはコインベースの株式を約1990万ドル(約29億円)で取得したとされ、年金基金の利益は約700万ドルにのぼる。
地元メディアNews1の報道によると、韓国の公的年金基金による最近のコインベースへの投資は、NPSによる初めてのCOIN株購入だ。NPSは、ビットコイン(BTC)のような仮想通貨への直接的な投資を行わない方針を採っているとされる。
2021年、韓国議会は、NPSが暗号資産関連ビジネスへの投資を行ったことを批判したという。当時、この批判に対して、NPSは取引所への投資のみを行い、仮想通貨は投資対象ではないと反論した。
コインベースの株価は2023年に大幅な成長を遂げ、7月には1株あたり110ドルまで急騰した。TradingViewのデータによれば、COIN株は2023年初めの約37ドルから年初来で約170%の上昇をみせた。ただ株価は2021年9月の史上最高値300ドルを大きく下回り、74%の下落となっている。

コインベースの2023年の大幅な成長は、米SECから訴訟を起こされたにもかかわらず実現した。2023年6月に提起された訴訟では、コインベースが未登録の証券を提供したとし、米国の証券法を違反したとSECは主張している。10月には、コインベースが再度SECの暗号資産に対する権限を争い、その証券の定義が広すぎると主張した。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン