テック大手グーグルが、ビットコインマイニング企業テラウルフの筆頭株主になる見込みとなった。これは、テラウルフとAIインフラ企業フルイドスタックとのリース契約において、グーグルが金融保証を拡大し、その見返りとしてテラウルフ株の新株予約権(ワラント)を受け取った。

テラウルフは先週木曜の株主向け説明会で、フルイドスタックと10年間の共同ロケーションリース契約を締結したと発表した。グーグルはこの契約の保証を提供し、その対価としてテラウルフ株を購入できるワラントを得ている。

テラウルフの最高戦略責任者であるケリ・ラングレイス氏はコインテレグラフに対し、グーグルがこの契約に対して総額32億ドルの保証を提供し、7300万株超のテラウルフ株の取得権を得たと語った。これにより、グーグルはテラウルフの株式14%を保有する筆頭株主になり得るという。

「世界を代表するテクノロジー企業からの力強い承認であり、当社のゼロカーボン・インフラと、今後の成長機会の大きさを裏付けるものだ」と、ラングレイス氏は述べた。

グーグルの保証でAIホスティング契約を支援

テラウルフによれば、フルイドスタックはこの契約のオプションを行使し、ニューヨーク州のレイクマイナーに専用データセンターを新設する計画を進めており、2026年後半に稼働予定となっている。

ラングレイス氏によると、グーグルの保証は、フルイドスタックの長期リース義務を支えるものであり、もしフルイドスタックが債務を履行できない場合、グーグルが最大32億ドルを肩代わりする。

ただし、これはテラウルフの企業債務に対する保証ではなく、同社がその資金に直接アクセスできるわけでもないという。

この保証はあくまでAIおよび高性能コンピューティング(HPC)ホスティング契約に対する収益に限定されており、ビットコインマイニングとは無関係であると同氏は強調した。

BTCマイニングからAI・HPCへの移行

2024年4月の半減期により、マイニング報酬が3.125BTCに減少し収益性が低下したことを背景に、多くのビットコインマイナーがAIおよびHPCへの転換を進めている。

テラウルフも同様に、レイクマイナーにおけるビットコインマイニング事業を今後も維持はするが拡大はしない方針だという。今後は「建設・ホスティング・成果提供」という実行重視の戦略にシフトし、パートナーと株主に価値を届けると述べた。

短期的には、マイニングは電力需要の調整に役立つ柔軟な電力負荷資源として、電力網の安定にも貢献している。

中長期的には、AIやHPCのような契約済みの高収益用途へ電力を移行するほうが成長性が高いと判断しており、フルイドスタックやグーグルのような大手企業との契約がそれを裏付けている。

資産運用会社ヴァンエックの2024年8月のレポートでは、上場マイニング企業が2027年までにエネルギーの20%をAI/HPCに転換すれば、年間利益が13年で139億ドル増加する可能性があると試算されている。

テラウルフは、フルイドスタックとの契約が67億ドルの収益を生むと見積もっており、契約延長が行われれば最大160億ドルに達する可能性があると見ている。

フルイドスタック契約発表後に株価上昇

月曜の取引でTeraWulfの株式(WULF)は10.57ドルまで急騰し、前日終値の8.97ドルから17%の上昇を記録した。終値は9.38ドルとなり、その後のアフターマーケットでさらに1.28%下落した。

フルイドスタックとの提携が最初に発表された木曜以降、テラウルフの株価は5日間で72%超の上昇を見せている。

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