身代金を要求するマルウェアの一種であるランサムウェアでは、要求する仮想通貨がビットコイン(BTC)からハッカーの特定がより困難なモネロ(XMR)へと移行している。サイバーセキュリティニュースのブリーピングコンピュータが4月11日に報じた

報道によれば、ランサムウェア「Sodinokibi(ソディノキビ)」への身代金支払いをモネロに移行しようとしている。身代金の追跡で、警察による捜査がより困難になるのが狙いだ。ユーロポール(欧州刑事警察機構)の戦略アナリストのジュレック・ジャクベック(Jakubcek)氏は、2月のオンラインセミナーで以下のように説明している。

「該当の容疑者がTORとプライバシーコインを組み合わせて利用していたので、我々はその資金を追跡できなかった。我々は、IPアドレスを追跡できなかった。つまり、我々は行き詰った。ビットコインのブロックチェーン上では何が起ころうとも可視化できるので、我々はさらなる捜査が可能だった。しかし、モネロのブロックチェーンは、そこが捜査の終了地点となった。つまり、これが、容疑者がビットコインやイーサリアムからモネロに資金を移動させることを決定した複数のケースの典型的な例だ」

ソディノキビの背後にいるハッカーは、ハッカーとマルウェアのフォーラムへの投稿で、モネロに切り替えると通知している。

サイバーセキュリティ企業エムシソフトのアナリストであるブレッド・カロ―氏は、コインテレグラフに対し、もし、他のランサムウェアグループがこれに続いても驚かないと述べている。

「別の通貨で要求が出させれる例がいくつかあるが、主要なランサムウェアグループがビットコイン以外の通貨で決済したのはこれが初めてだ。ほかのビジネスと同様、犯罪組織は機能が証明されている戦略を採用しているため、ほかの組織がビットコイン以外の通貨を試すようになると予想される」

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン