米規制当局の証券取引委員会(SEC)は、仮想通貨企業BitClaveに対して、イニシャル・コイン・オファリング(ICO)で調達した2550万ドル(約27億円)を投資家に返還するよう命じた。5月28日に発表した。
BitClaveは米カリフォルニア州に拠点を置く仮想通貨スタートアップ企業だ。SECは、BitClaveのICOが未登録の証券販売にあたると判断した。
SECによれば、BitClaveはICOで調達した資金を投資家に返還することでSECと合意したという。同社は調達資金の返還のほか、40万ドルの罰金を支払うことになる。
BitClaveは2017年10月、広告のターゲティングに利用できるデータをインターネットユーザーに報酬を支払う計画を発表した。このシステムにより、中間業者を排除し、オンライン広告のコストを削減できると主張していた。同年11月末のICOで2550万ドルの調達に成功していた。
BitClaveは9500人から調達
BitClaveは「CAT(Consumer Activity Token)」と呼ぶトークンで約9500人の投資家から資金を調達した。
SECは、BitClaveが販促資料の中で、投資家に対してトークン上昇の期待を醸成したと指摘し、未登録の証券販売だったと結論付けている。
SECは2019年4月にデジタル資産が証券にあたるかどうかを確認するためのガイドラインを公開した。これによれば、他人の努力によって資産が高く評価されると期待される場合、それは証券にあたるとしている。
BitClaveは、仮想通貨取引所からCATトークンを削除する要求にも同意した。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン