米証券取引委員会(SEC)のゲイリー・ゲンスラー委員長がかつてバイナンスへのアドバイザー役を申し出たと、バイナンスとその創設者ジャオ・チャンポン氏の代理人の弁護士が主張している。

6月7日のCNBCの報道によれば、SECによって6月7日に提出された文書では、バイナンスを担当する法律事務所ギブソン&ダンとラサム&ワトキンスの弁護士が、2019年3月にゲンスラー氏がバイナンスのアドバイザー役を申し出たと主張している。

しかし、3月のウォールストリートジャーナルの先行報道では、実際にはバイナンスが2018年にゲンスラー氏にアドバイザーの役職を初めてオファーしたとされている。

WSJの報道では、2018年から2020年までのメッセージや文書を引用して、当時バイナンスのベンチャー投資部門の責任者だったエラ・ジャン氏と、バイナンスが投資した企業コキ・トレーディングの共同創設者であるハリー・チョウ氏が2018年10月にゲンスラー氏と面会し、彼にアドバイザーの役職をオファーした。ゲンスラー氏は後にこの申し出を断った。

さらに報道ではゲンスラー氏がマサチューセッツ工科大学(MIT)で教鞭を取っている間に、複数の民間企業からアドバイザー役の申し出を受けたが、全て断ったと主張している。

米国のバイデン大統領は2021年2月にゲンスラー氏を証券取引委員会の委員長に指名し、同年4月17日に就任した。

SECへの参加前は、MITスローン経営学部でグローバル経済の教授を務めていた。2017年から2019年までは、メリーランド金融消費者保護委員会の委員長を務めていた。

6月5日、SECは証券取引所として登録しないまま米国内で違法に業務を行っているとしてバイナンスを訴えた。SECは、BNB (BNB) と バイナンスUSD (BUSD) の未登録の提供と販売、およびステーキングプログラムの違法な提供など合計13の罪状で訴訟を起した。

6月7日、バイナンスは中国のソーシャルメディアチャネルを通じてメッセージを発信し、高まる規制行動を受けて他の仮想通貨取引所と「違う」と主張した

声明でバイナンスは、ウォレットアドレスが透明であり、取引所は決して「消費者の資金を搾取」したことはないと述べた。さらに、バイナンスは、政治候補者への「多額の献金」を行ったり、エンターテイメント企業やメディア企業への「巨額のスポンサーシップ」を行ったことはないと付け加えた。 これらは、破綻した仮想通貨取引所FTXが実際に行っていたことを意識したものだろう。

同日、ジャオ氏はツイッターで議論を巻き起こした。彼は、ゲンスラー氏がインタビューで2つの会社間には多くの「並行性」があると主張しているにもかかわらず、SECがFTXを訴えたことはないと主張した

コインテレグラフはコメントのためにSECに連絡したが、すぐには返答を得られなかった。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン