「決済手段」でも「価値貯蔵手段」でもないが調査の必要性あり 仮想通貨に対するプーチン大統領の見方とは

 ロシアのプーチン大統領は7日、ロシアが独自の仮想通貨を発行することに関して、ほとんどネガティブだが全体的にあいまいなコメントをした

 これはロシア国民からの質問に答える毎年恒例のライブ番組「ディレクト・ライン」でプーチン大統領が、ロシア人ブロガーのアーテム・コクホリコフ氏による仮想通貨に関する以下の3つの質問に答えたものだ。

「ロシアは独自の仮想通貨を持つ意志はありますか?それは政府にコントロールされますか?あなたは近い将来、仮想通貨が我々が使っている普通のお金に取って代わると思いますか?」

 この質問に対してプーチン大統領はまず、仮想通貨というのは「国境を越える」もので「定義上」中央集権国家によって発行されるものではないから、ロシアは独自の仮想通貨を持つことはできないと回答。またプーチン大統領は、”いわゆるマイニング”について、ロシアは規制はしないが「慎重に扱っている」と述べた。

 さらに決済手段としての仮想通貨について、一部の専門家が日本が部分的に決済手段として認めたと発言しているものの、プーチン大統領は「他の国では機能しない」とし、以下のように自身の考えを表明した。 

 「ロシアの中央銀行と仮想通貨の関係についてだが、ロシアの中央銀行は、仮想通貨を決済手段とも価値貯蔵手段ともみなしていない。仮想通貨はなんの後ろ盾もない。我々は注意深く、慎重に扱わなければならない」

 その上でプーチン大統領は、ロシアは世界で「仮想通貨という現象がどのように発展するか」を注視して、ロシアがどのように「その流れに乗るか」決めなければいけないと付け加えた。

 一方、プーチン大統領は、「国際金融市場における制限を避けるために仮想通貨が使えるのか」調査をする必要性にも言及。これは、欧米諸国によるロシアへの制裁をかいくぐるために仮想通貨が使える可能性について暗に示したものとみられる。

 「ディレクト・ライン」にプーチン大統領が出演したのは16回目。プーチン大統領への質問には事前にチェックが入ることから、この番組で仮想通貨について扱ったこと自体、近い将来ロシアが仮想通貨関連の政策を活発に打ち出していくことを示している可能性がある。

 政府発行の仮想通貨に関してロシアの政府と民間の関係者は、2015年以来「仮想ルーブル」もしくは「ビットルーブル」の発行について議論していると報じられている。また今年1月には、仮想ルーブルが2019年の中頃までに試験的に発行されることが発表された。さらに年初にはプーチン大統領の経済顧問が、「仮想ルーブル」が欧米諸国による経済制裁による圧力を緩和する可能性があると発言した。一方5月には、ロシア連邦議会の下院にあたる国家院で「デジタル金融資産について」の新たな法案が第一読会を通過した。ロシアの仮想通貨業界を規制するもので最終法案は7月1日に可決する見通した。

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